グリズリー・レイジ
あらすじ
「馬鹿に免許を与えるな」
高校を卒業した仲良し4人組が4WDに乗って山へ遊びに行く。4人の構成は女1人に男3人(白帽子、黄帽子、ハゲ)。山道をドライブ中に男共は調子をブッこいて進入禁止の看板を無視してコースを外れ、「オフロードだぜ!」とか叫んでバグりながら環境破壊を楽しむ模範的アウトドアライフを楽しみ始める。しかし所詮はクソガキのド下手糞な運転である。4WDは、罪のないグリズリーの子どもを轢殺して木に衝突する。やべえよやべえよとか言ってる間に親グリズリーが現れて黄帽子をデュークホームランでブチ殺す。
なんとか4WDを再起動してその場から逃げ出した3人だが、白帽子がいきなりラリってハンドルをおもちゃにした結果、4WDは崖から転落してしまう。4WDを再び崖の上の道に戻すためにウィンチを使うハゲであるが、そのシーンがまた素晴らしい。ウィンチの起動に合わせてボーカル付きのロックがバックミュージックとして流れ出す。登場人物は当然のごとく叫んでいる。これにケインコスギが加われば完全にリポビタンDのCMである。
4WDをウィンチで巻き上げたが結局エンジンはかからない。ならばとハゲが「俺が走って助けを呼んでくるぜ」とメリットの見いだせない提案を行う。お前1人で行くぐらいならみんなで行った方がいいだろと思うのだが、ハゲの疾走は止まらない。ここでもバックミュージックとしてボーカル付きのバラードが流れる。監督はこのハゲをどう表現したいのか理解に苦しむのは私だけではないだろう。結局ハゲは道中で親グリズリーに襲われて無駄に怪我したあげく仲間の元に逃げ帰り、無事死亡した。
残った女と白帽子はガソリンを撒いて親グリズリーを焼き殺そうとするが失敗する。その後はなんやかんやで、腐りかけの掘っ立て小屋の中に親グリズリーを誘い込むことに成功。「これで奴を閉じ込めたぜ」「私たちは助かったのね」という彼らの会話からはとても高校教育を卒業した知能を感じ取ることができない。親グリズリーは当然のごとく彼らの甘すぎる期待を裏切ってボロ小屋の扉を破壊。能天気に歩いていたアホ2人をぶっ殺してハッピーエンドである。
本作からはグリズリーの恐ろしさが全く感じられない。感じるのはただひたすら登場人物の愚かさのみである。従って本作はパニックアクションとしてはお話しにならない。ただ、「アウトドアで遊ぶ時にはルールをしっかり守りましょう」ということを学べるという点で救いを見出せるだけまだマシな作品であるとフォローしてみる。
総合評価・星2つ(500円の価値無)
★★☆☆☆
以上