ワンコイン・ムービ-レビュー

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トランスフォーサー

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あらすじ

「最初っからワープしとけよ」

 

 数百年後の未来、人類はエイリアンの侵略を撃退した後、調子こいて銀河系でブイブイいわせていた。その後わけのわからん理由で人類の品種が改良されていろんな人類が誕生する。そして元々の人類であるホモサピエンスはクソだから死ねという風潮が出来上がる。

 

 主人公の男は生き残りのホモサピエンス。彼は運送業を営んでいるのだが、彼が使っている宇宙船のコアは、実はエイリアンを不死身にするハイパーアイテムだったのだ。よってエイリアンは主人公を狙い追跡をはじめる。エイリアンに追われる中、彼は生き残りのホモサピエンスの女性とセックスしたり、部下に裏切られたり、整備士の秘密を軽々しく他人に暴露したあげくにそれが整備士にバレてキレられたりする。本気で凄まじくどうでもいいシーンの連続である。

 

 「火星に行って武器を調達するぜ」そう宣言した主人公が、火星で手に入れたのは、第二次大戦で使われていたような迫撃砲弾2つだけである。ちなみにこの武器はその後登場すらせず何の役にも立たないという活躍ぶりを見せつける。

 

 やがて火星にやってきたエイリアンの大艦隊を相手に、主人公はライフルで互角の戦いを演じる。艦隊の戦闘能力がクソなのか、この映画自体がクソなのか。私は断じて後者であると確信している。ぐだぐた戦っているうちに整備士が小型艇に乗り込み、エイリアンの艦隊を全滅させる。江草隆繁をはるかに超えるその武勲には開いた口がふさがらない(悪い意味で)。なお主人公は変なオッサンに槍で刺されて死んでいた。

 

 映画のラストでは字幕で、「生き残った整備士達は、銀河を2つワープして平和な星で暮らしました」「エイリアンは、なんか勝手に絶滅しました」と素晴らしく丁寧なアフターケアが行われる。このシーンを見た際に思わず「ナメとんのか」と口に出してしまった事は告白しておかなければならない。通常の社会生活ではまず使わないセリフを引き出す力を持ったこの映画は一体なんなのだろうか。おそらくそれは脚本家の能力に起因するものだろう。トランスフォーサーというタイトルが示すように、脚本家の頭はドラッグか何かでトランスしていたのだろう。そうでなければ、こんなSFを侮辱するような愚かなモノが出来上がるはずはない。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上