ワンコイン・ムービ-レビュー

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女泥棒 サバイバル・ランナウェイ

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あらすじ

「どろぼうは、わるいことだとおもいました。」

 

 大恐慌時代に隠された財宝が公立墓地の地下にゴロゴロ転がっている…。主人公たちはこのようなオレオレ詐欺レベルの勧誘に乗り地下へと乗り込んでいく。なおメンバーは主人公の女とその彼氏、計画者の女リーダー、そしてモブキャラ女3人である。探索シーンはとても胸がドキドキするような熱い流れで進んで行く。「電灯があったからスイッチ押したら点いたぜ」「ケータイの電波が通じないわ!」といった会話は彼らの探検能力が常人離れしていることの証だろう。なんやかんやで彼らはそこらへんの墓を荒らして宝石を集めていく。

 

 さあ帰ろうとすると出口への道が無くなっている。そして襲い掛かる悪霊!!と言いたいところであるが、なにせこの悪霊とやらがチンケの二乗レベルで大したことが無い。「何かの視線を感じる」とか「水中で足を引っ張られた」とか「死体が動いた気がした」とかいう俳優達のビビり芸を延々と見せつけられる。たま~に女が死んだり女が死んだり男が死んだりするが、特段死亡シーンに力が入っているわけでもない。なんか気づいたら死んでいたレベルのものである。唯一悪霊として存在感が有るのは紳士服を着た怪力ゾンビである。しかし彼にしても淡々と主人公たちの目の前に現れて首を絞めて殺害するだけである。“逃げる女泥棒!追いかける死霊!”とパッケージ裏では煽っているが、死霊は瞬間移動で現れて首を絞め、女泥棒は狭い地下を這いずり回るだけである。これのいったいどこが“問答無用のサバイバルチェイス”なのか監督の胸倉を掴み上げたくなってくる。

 

 死霊が追いかけてくるのは宝石を奪ったからだ。だから返そう。そうして宝石を返した主人公の女は助かりましたが他は全員死にました。で本作は終わりである。ホラーなのに怖くない。それを補える俳優陣の演技力もガッデムであり、アクション性もスピード感もゼロ。もはや乾いた笑いしか漏らすことはできない。

 

 ところで本作の女性俳優陣はタンクトップやハーフパンツといった露出度の高い服装をしているが、これが効果として虚無であることは特筆しておかなくてはならない。まず最初に、これらは人の立ち入らない地下で物を探すという行動に適した服装ではなく、暗い場の雰囲気も相まってただのマヌケにしか見えない所。次に、これら露出度の高い服装は男性視聴者へのサービス的意図を持つものであると推測されるが、本作ではお色気シーンと呼べるものが皆無と言ってよいレベルであること。あげく地下を這いずり回る過程でせっかくの露出された肌も泥だらけになっていて全然セクシーじゃない所。この2点から学べる事は「とりあえず女優を脱がしておけばイケますよ笑」といった愚かな経営理念はケツを拭く紙にもなりはしないということである。本作に価値を見出すとすればこれだけである。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上