ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

テリトリー

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あらすじ
「山で遊んでたらなんかヤバイのがきた」

 

 嫁に浮気された友人を励ますために、男4人が山遊びをするところから本編が始まるのだが、オッサン4人が暗い森の中で円陣を組み、無言で地面を眺めるという何とも言い難い光景は本作の行く末を暗示するかのような不安を視聴者に与えてくれる。やがて彼らは森林浴に来ていた女性4人組と出会い、意気投合してダラダラ過ごすのだが、そこへ変なジジイが表れて「この山マジパネエ」と言い残し昇天する。驚くべきことにこのジジイ、モンスターに両足をちぎり取られながらも匍匐前進でモンスターの追跡をかわし、出血多量の中メインキャストにモンスターについての説明をすると言うハードワークをこなしたのである。高齢化社会における、老人活躍への道しるべとなり得るポテンシャルの塊であった彼の惜しむらく死、その直後にモンスターがメインキャスト達に襲い掛かる。

 

 本作のアクションシーンを表現するなら「単調」という言葉が最もふさわしいだろう。ぬいぐるみの化け物がウオオオとか叫んでいる声をバックミュージックに、血糊を付けた俳優がマナーモードのiPhoneの様にブルブル振動しながら死んでいくだけである。何の恐怖感も沸き上がらないその無様な動きはもはや笑いの境地に達している。そのくせ効果音だけはやたら粘着質でペチャペチャと血の音が気持ち悪い事この上ない。

 

 本作で最も哀れな登場人物は、嫁に浮気された男である。彼は目の前で嫁と愛人のベッドシーンを見せつけられたあげく嘲られ、傷心を癒すための旅行では変な着ぐるみに襲われる。彼はモンスターの攻撃を受けバクテリアに感染する。その結果彼は完全なせん妄状態になり「女なんてクソだ!」とわめきながら拳銃を乱射してチームのお荷物と化した後、無意味に死ぬ。

 

 男女8人のメンバーも最後には女2人だけになってしまう。武器は拳銃とナタだけ。この絶望的な最終決戦において、超自然的な力を持つ恐ろしいモンスターはマグナム弾の攻撃を物ともせずにはしゃぎまわり、女子の細腕から繰り出されたナタの一撃を受けてあっけなく絶命する。もはや八百長相撲以下のゴミのような台本としか言いようがない。本作は全体的に見て何の盛り上がりも無く進んでいく。登場人物やモンスターにもなんの魅力も感じない設定の薄さ。本作はモンスターパニックを銘打っているが、バカがパニックを起こす映画と言い換えたほうが適切だろう。

 

 本作において、バグった浮気され男が乱射するなどして大活躍した拳銃。この銃はデザートイーグルという人気の高いメジャーな銃なので、2~3,000円も出せばエアガンが買える。生活に疲れたと感じた時はどこかの公園や山林で「女なんてクソだ!」と叫びながらエアガンを振り回す「テリトリーごっこ」でストレス解消を試すのも一興ではないだろうか。なお本案を実行した結果、ポリス的な事態を招いたとしても当ブログは一切関知しないことをここに宣言する。

 


総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)
★☆☆☆☆

 

以上