シャーロック・ホームズVSモンスター
あらすじ
「19世紀末、霧のロンドンはジュラシック・パークと化す!ミステリー!!アクション!!モンスター・パニック!!名探偵シャーロック・ホームズが挑む史上最大の事件の謎とは?!(パッケージより抜粋)」
1940年のロンドン。ナチスによる激しい爆撃が街を襲う中、ジジイが「そういえば昔こんなことがあったのう…」と回想をおっぱじめる。非常に不自然な導入がのっけから不安をかき立てる。
どうやら本作においては量産型のデブを「ワトソン」と呼称する習慣があるらしく、そのワトソンによって定義されたホームズの容貌は、ピース又吉を小さくしてオデコ周りの頭髪をさみしくしたような感じである。シャーロック・ホームズに対してどんなイメージを持つかは人それぞれだが、ある日若ハゲのチビをホームズと呼べと迫られたら私はショックを受けるだろう。実際受けた。
霧のロンドンとぬかしながら乾燥したそこらの廃墟で撮影されたと思しき本作の評価についてはもう先に述べておこう。ゴミである。ミステリーに関して。本作のホームズは日常パートにおいて意外にも推理能力を披露する。しかし本筋に関わる推理は無いも同然。「犯人はハイテクマシンでロンドンを襲うんや」と言われて納得できる人はどれだけいるのだろうか。トリックの説明もろくになしにマシンがでてくるなどドラえもんもいいところである。
アクションに関して。ロンドンに迫る悪役、追いすがるホームズ。そこでは悪役がマシンのボタンをポチポチしたり、ホームズが気球のボタンをポチポチする。これ以上アクションに触れたくはない。
何かとがったところがあるわけでもなく、これを魅せたいという執念があるわけでもない。アイデアを含む資源が不足する中、有名タイトルの知名度に乗っかって、適当に60点を目指して作ったものの10点でしたと、それが本作の正体である。光り輝くクソが見たくてワゴンを漁っている私にとっては一番唾棄すべきタイプの作品である。
「クソをいっぱい見ても意味はない、良作を見よう」という意見は恐ろしく魅惑的な糖蜜である。正論すぎて反論できない。こういう意見に接するたびに「俺は何をやっているんだ」と空しくなる時があることは否定しない。特に本作の様なゴミを見た時には。
神よ、私は救われるのでしょうか。おそらくこの問いに答えは帰ってこないだろう。私は無神論者なのだから。
総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)
★☆☆☆☆
以上