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ウルフマン2014

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あらすじ

「獣姦」

 

 時は17世紀中旬、万引き常習犯の主人公が貴族の娘をクンニした罪で捕まる愉快な場面から物語は始まる。彼は当然の如く逃走。その途中で神父の死体を見つけた彼は、羅生門のごとき慈悲深さで身ぐるみをひっぺがして近くの村へ行き「ワタシハ、シンプデース」とほざいて調子をこく。

 

 村人たちと交流するうちに、彼はこの村に伝わる伝説を知る。「昔々、神父と詩人が旅をしていました。その途中で詩人が狼と獣姦して狼男を作りました。神父は狼男を殺しました。マジ怖ェ」

 当然のごとくアホかと思っていると、村人の1人が狼男に襲われて命を落とす。皆が悲痛にくれる中、領主とその息子3人が村を訪れる。彼らは街で集めた女性たちから嫁を選ぶために領地の館に戻ってきたのだった。村人の死を知った領主は「ワシの領地で今後こんなことは許さん!」と高らかに宣言する。さすが領主様。ビバ権威。法の下の平等などクソである。

 

 村人たちは嫁候補の警備に付いて野営をするが、また1人が狼男に殺害される。再襲撃をかけてくる狼男に対して主人公の放った十字ガン(後述)が首に命中、狼男を倒すことに成功する。死んで体毛が消えてゆくその死体、その姿はなんと領主の次男だったのだ!

 

 時を同じくして三男が嫁候補の1人を連れ出していた。三男は真剣な目で彼女に訴えかける。「僕は他の2人の兄弟とは違うんだ!真剣に、純粋に心から君を愛しているんだ!」彼は彼女を食料として見ていない。1人の女性として見ている紳士だったのだ。ならやることは1つ、それはレイプである。もはや救いようのない一族である。

 

 しかし幸か不幸かこの三男、父親に怒られたら一気に心が折れるヘタレであったのである。父親は「テメエはレイプで終わる狼じゃねえ!さっさと女の首を喰い破ってこいや!」と発破をかけ三男を送り出す。

 

 嫁候補たちは教会に立てこもる。シスターは祈りを捧げ、生き残った村人であるシャイなデブは命に代えても女達を守ろうと斧を握りしめる。そこに三男が正面から突入!礼拝堂は血まみれに!と思いきや、嫁候補たちが農具を持って横隊突撃戦術で三男を串刺ししてあっという間に抹殺する。なおシャイなデブはポカンとしていただけである。やはり女は強い。遅れてきた長男も、主人公とタイマンで負ける。あまりにも弱すぎませんかね。

 

 なお領主は逃走した模様。ちなみに獣姦詩人もこの領主であることが明らかになる。おそらくチンパンジーとセックスしてエイズを広めたのもこいつだろう。

 

 本作はストーリーの流れや狼男の設定など粗いところもあるが、役者の軽妙な掛け合いや、人里離れた村の薄暗さの表現など優れたところもある。なにより上述した通りあれだけ恐ろしいバケモノ扱いされてた狼男が姉ちゃんズの農具コンボでなにも反撃できずにぶっ殺される所とか予想外の展開をちょいちょい出してくる。ストーリー担当者は真面目に書いたつもりかもしれないが、見る側からすれば狙って笑わせようとしてないのに笑えるというのが素朴でよろしい。

 

 なお主人公が神父の死体からパクった十字ガン、これがまた中二心をくすぐる良いデザインなのである。形状はフリントロックピストルのようであるが、銃身は無くボウガン式の発射機構を備えている。弾丸は小型の十字架、単発装填。フロックコートを着たイケメン神父が二丁持ちで現れたら間違いなくデビルメイクライであろう。小道具係さん、良い仕事をありがとう。

 

 

総合評価・星4つ(ステキやん?)

★★★★☆

 

以上