ワンコイン・ムービ-レビュー

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エンドオブ・ザワールド 2014

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あらすじ

「エンドオブ・ザ脳味噌」

 

 ニッチなSFビデオ店を経営する修士号持ちのデブと、プログラムに詳しいデコ、この2人を主人公格として物語は進む。彼らはそれぞれ彼女と母親に「さっさとマトモな職につけ」と愚痴を言われている。

 

 ここで彼女達に反論したい。マトモな職とは一体何なのか?修士号を持っていたら好きなジャンルのビデオ屋を経営してはいけないのか?プログラムが得意なら好きな業界で社員になってはいけないのか?特にデブに関してはマニア向けの自営店舗の経営を安定させている時点で十分その能力は高いだろといいたい。しかし、この女達は彼らの持つ営業の自由と勤労権を根拠なく否定したあげく、その才能まで侮辱している。

 

 とはいえ本作で正々堂々と擁護できるのはこの部分ぐらいである。「宇宙から波動弾がやってきて太陽系のバリアがヤバくなったので地球もヤバい」というのが本作のストーリーである。その構成はさながら中世ヨーロッパの街路の様に清潔である。

 

 ここで素直に避難すればいいものを、主人公達は「俺達はSF映画をいっぱい見ているから大丈夫」「SF界のイカれた神を精神病院から脱走させて策を練るんだ」とほざいて病院を襲撃する。前文で擁護しておきながらふざけるなと言われるのは覚悟の上で判断するが、こいつらに学位を与えたやつは間違いなくアヌスである。なお脱走に成功した神とやらはノリノリではしゃぎまわった後、波動弾によって秒殺される。

 

 追い詰められた主人公は最後の賭けに出る。彼は生き残った米軍将校の前に歩み出て、自らの想定した地球防衛策をプレゼンテーションする。デブは胸を張り力説する。「ロシアに核ミサイルをブチ込んで、その時に巻き上がる粉塵で波動弾を防御するんです。ちなみにこれは僕の修士論文のテーマです。」ダントンを彷彿とさせる雄弁。彼の瞳には一切の曇りは無い。これで修士になれるなら、今頃私はフィールズ賞を取っているだろう。

 

 将校は彼の漢気に感動し、「阿呆」と吐き捨て主人公達を監禁する。しかしなんのかんので波動弾で基地はボコボコになり、その隙をついて主人公達は核ミサイルを発射、ロシアは吹っ飛び地球は助かってハッピーセットである。とりあえず急場は凌ぐことはできたとしよう。しかし彼らがウラジーミルのプーさんにより便所に追い詰められ報復毒殺される未来は不可避であろう。もちろんスマイルは0円である。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値無)

★★★☆☆

 

以上