ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

メタル・トランスフォーム

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あらすじ

「おじいちゃんの作った像にバクテリアが引っついて人間の血を狙う」

 

 とある田舎町に人工衛星の破片が墜落。それを発見した主人公の兄弟は、警察や消防への通報を怠り破片をクズ鉄屋に売り払って私腹を肥やす資本主義の豚として模範的なアクションで公共性を守護する。しかしその破片には宇宙からの未知のバクテリアが付着していたのだ。

 

 破片を買い取ったクズ鉄屋のおじいちゃんは趣味で巨人型のオブジェを作っていた。そのオブジェにバクテリアが張り付いて自立機動を開始。ヒッピーのオッサンやヒロインのおば、そしてクズ鉄を売った片割れの弟をもぶち殺す。オブジェは町中を徘徊し主人公達を追い回す。保安官がピストルで応戦するも銃弾は効果が無く保安官も殉職する。主人公が車でオブジェに体当たりをかけ、バラバラにしたところで破片それぞれが群れの様に襲い掛かってきた挙句、再び集合してオブジェ型に戻ってしまう。

 

 バーに集合した生き残りは作戦を練る。敵が血に反応することはわかった。ならそれを利用して燃料ボンベをオブジェに放り込みライフルでボンベを狙撃して爆破するという案である。この作戦のために外に出た爆破組とバーに残った居残り組の活躍はまさに格差社会である。

 

 爆破組は文字通り体を張って戦う。敵をおびき寄せるため、ヒロインはリストカット覚悟で前肢をナイフで切ってボンベに血を擦り付ける。主人公とクズ鉄屋の孫である少年はタンクを頭上に掲げ必死でオブジェをおびき寄せようとする。しかし敵も思う様には動いてくれない。戦いは一進一退の攻防の様相を呈する。

 

 一方居残り組はというと、どんくさい天パのデブがバクテリアに殺される。残ったクズ鉄屋のじいちゃんとアル中のじいちゃんは「除菌や」とつぶやきながらバクテリアにハンドソープや漂白剤をぶっかける作業に従事する。これらが何の効果ももたらさなかったことは言うまでもない。まずは彼らの脳を除菌するべきだったと考えるのは私だけではないだろう。

 

 やがて爆破組による決死の作戦が成功し、オブジェを破壊することに成功するが、爆破の衝撃を受けてもなおバクテリアはその動きを止めない。そこに待機組のアル中のじいちゃんが現れてこう言う。「酒を撒くんや。」このじいちゃん、爆発の衝撃でこぼれた酒がバクテリアに効くことを偶然見つけたのである。その後は全員で地面に楽しく酒を撒いて一件落着である。

 

 本作の構成要素は特に褒めるべきところもなく、かといってバグっているところも少ない。「500円ならこんなもんだろ」と割り切るしかない映画としか言いようがない。

 

 ところで長らく週刊少年ジャンプで愛されてきたこち亀が最終巻を迎えるそうである。両津勘吉、そして本作から学ぶべく、各地方自治体は「地面にビールを撒く会」を組織し、宇宙バクテリアの侵略に備えるべきであろう。

 

 

総合評価星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上