ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ストライク・ダウン

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あらすじ

「人は神にはなれない」

 

 舞台となる街ではロリコンやDV野郎による児童の誘拐・殺人事件が多発しており、警察は後手に回っていた。するとそこにロリコン達をブチ殺す謎の存在が現れる。市民は謎の存在を「自警団」と呼称、その活動に関しては賛否両論が沸き起こる。主人公の刑事はロリコンに妻を殺害されており、そのロリコンは「自警団」に殺された。彼は「自警団」にシンパシーを感じながらも捜査を進めて行く。

 

 警察行政も司法制度も完璧ではない。それらが取りこぼす悪に対して、越権行為だとしても私刑を加える必要があるのではないか?これだけならよくある「法で裁けぬ悪を討つ!」パニッシャー物である。しかしそうはならなかった。本作が量産型から差別化し得た理由は、パニッシャーの精神を人間として描写した点であるといえよう。

 

 悪党に立ち向かうということは、それを生み出した社会をも直視しなければならない。現実に起こる事件の残酷さ、悲惨さは、仕事と割り切って、組織的対応をもって臨んでも絶望を禁じえない。そんなものを個人が背負えるのだろうか?終盤、パニッシャーは嗚咽を漏らしながら心中を告白する。

 

――泣く赤ん坊を脳障害を起こすまで子守が揺さぶるのや、13歳の義兄が6歳の妹をレイプしたり、罰としてトランクに入れたり、殴られるのが怖くて主人を娘から遠ざけれないとか・・・

 

 「復讐は神の領域だ」と、それが本作の結論だった。

 

 看過できないマイナス点としては、あるキャラクター、同僚の男性刑事の存在を指摘したい。彼は「自警団」とは別にロリコンを薬物注射などでこっそり抹殺していました。しかし彼自身もまたロリコンであり、少女を誘拐していました。わけわかりますか皆さん。警察と「自警団」の対立が描かれることでドラマが成立していく、そこにロリコンを殺すロリコンとかいう濃口醬油みたいな変態が介入するともうドラマの味付けがしょっぱいしょっぱい。この同僚刑事がいなければ星4つもありえたかもしれないだけに恨みは募りますよ。

 

 主人公の男性刑事と新人の女刑事がバディを組んで捜査する!と思いきやバディの絆も新人の成長も描かれず、ただ2人でオフィスワークしてるだけというのもどうかと思いました。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上