ドラゴンロード ~導かれし勇者~
あらすじ
「友情無!努力無!勝利!」
本作の主人公は、同居する祖父のスネをかじりながら望遠鏡で女の着替えを除くゴクツブシである。彼が無駄に人生を謳歌していると、ダークなドラゴンが村にやってきて何かヤバい感じになり祖父が殺される。
祖父は死に際に正義の石のペンダントを主人公に渡して説明する。「この世界は“同胞”と呼ばれる知識集団によって秩序維持が行われてきた。しかし邪悪の石を奪った奴が魔王になって“同胞”はやられたんや」。なお同胞の設定はクソほどの役にも立っていないので、本作は仲間を探して魔王を倒せの理解でOKである。
主人公は仲間をあっさりと見つける。露出狂衣装を着た姉ちゃんと、ボロ服着たおっちゃんである。主人公はおっちゃんから「お前は正義の石に選ばれた者だ。だが自分を律する能力に欠けているから鍛えなければならない」とニート脱出プログラムを拝領する。
このプログラムは実に厳しい。内容は「禁煙する」「女性が入浴しているバスタブに突撃しない」「巨大なクモを観光する」「乞食に金をあげる」といったレベルのものであり、こんなもので正義が守れるのなら警官も自衛官もクビである。
唯一「おっちゃんが死んだことを奥さんに伝える」というのは苦行であると思われる。『プライベート・ライアン』で息子の戦死を広報官から知らされて倒れ込む母親の姿を思い出せばそれは理解できるだろう。しかし本作はここでも落とし穴を用意してくれるOMOTENASHIの精神を忘れない。
何故おっちゃんが死んだのか?それは主人公が敵の罠にはまってアホみたいに肉や酒を飲んで殺されかけたのを救うためだったのである。おっちゃんが討ち死にする原因をつくっておきながら「おっちゃん死んだで」と何食わぬ顔で報告するその姿のどこから正義の味方を感じればいいのだろうか。OMOTENASHIどころかHITODENASHIである。
なんやかんやご都合主義でクソ石を集めた主人公は魔王(笑)と対決する。ホワイトなドラゴンを召喚し、手からビームを発射、見事魔王を倒し、露出狂姉ちゃんとキスして終わりである。
本作で着目すべきは主人公の演技力の低さである。祖父が目の前で死んだ時もぼけっとした顔で突っ立つだけ、ラスボス戦でもただ手をかざして立ってるだけ。繁華街で個室ビデオ店の看板もって立ってるオッサンと大差ないレベルの演技力でよくも主役になれたものだとある意味驚愕せざるを得ない。もしやこれは日本でいう縁故採用というやつなのだろうか。洋画であるならばジャクソニアン・デモクラシー的配役とでもいうべきか。多分違うだろうけど特に考える気も無い。
総合評価・星2つ(500円の価値無)
★★☆☆☆
以上