スカイ・アタック
あらすじ
「パッケージ詐欺の極み」
パッケージを眺めると、デカデカと目に飛び込んでくる2機のF/A-18。通称ホーネットと呼ばれるそれは言うまでもない世界最強の戦闘攻撃機である。なにしろこの機体は、人類の独立のために合衆国大統領自らが乗り込みエイリアンと交戦した宇宙規模のバトルプルーフを受けているのである。「パイロットに与えられた、人類の運命を揺るがす任務」「戦闘機に下された超極秘ミッション!」これらのコピーを見せられれば、私が本作を戦闘機のストーリーであると考えたことは重過失と言えるだろうか?質は別として。CGは初代プレステレベルかもしれない、しかしそこは寛容の美徳によって受け入れようと。
しかし本作はルソーがエミールを焚書するレベルで信義誠実の原則を放り捨てている。戦闘機はまったくメインの位置になく、ただモブキャラのオッサン2人のチャットルームと化している。彼らは戦闘機に乗っておしゃべりをする。「初めて暴徒を撃ち殺した後、そいつの持ってた酒を飲んだらうまかった」だの「マヨネーズは男のケチャップだぜ」だの中身も無ければ意味も無いダンディーな会話が私の鼓膜を貫通する。
特にマヨネーズうんぬんは本気で意味がわからない。マヨネーズを精液とする下ネタと仮定して考えたが、それに対応するケチャップの意味が全く持って解釈できない。血尿か?それとも切れ痔か?どっちも男関係ないだろう。考えれば考えるほど人生を無駄にしている気が半端なくなってきたので、残念でもないが解釈については後に続く学徒に任せ、本作のストーリー把握に努めることにする。
状況は近未来の地球。大気がヤバくなったから大企業が450兆ドルかけて太陽バリアを設置したけど無意味だったから地球を爆撃して特権階級だけシェルターに逃げ込むぜ!どう足掻いても絶望レベルで本作は救いがたい。450兆ドルってなんだお前は幼稚園児か。終わりゆく地球をなんでわざわざ爆撃するんだ。理性に放尿するがごとき制作陣の知能指数には戦慄を覚えざるをえない。
一応主人公は女性。彼女の夫は太陽バリア(失笑)の大企業のプロパンダを広めるコメンテーターとして活躍し、シェルターのチケットをゲッツしていた。しかし妻は連れていけないから見捨てろと上司に言われて絶望して首を吊って死ぬ。主人公はなぜか爆撃された上に大気がヤバい世界で普通に生き残り、食料品をあつめて独り言をわめきつつバレエを踊る。これが全てである。
ドッグファイトを期待させておきながら内容は北斗の拳からバトル要素を抜き去ったような血が滾るファッキンクライスト。監督に一声かけられるのならば「てめえに今日を生きる資格はねえ」が妥当であろう。
総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)
★☆☆☆☆
以上