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プテロドン 零式戦闘機VS翼竜軍団

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あらすじ

「こいつら戦闘力を自在に変化させやがる!」

 

 舞台は第二次世界大戦。主人公である女性達はアメリカ空軍の航空兵でB29の搭乗員である。アメリカ軍は女を前線にブチ込んでいたっけ?などと考えては負けである。彼女たちは重要機密を運ぶため太平洋へとフライトする。嵐の中飛行する彼女達は、突如として謎の飛行物体の攻撃を受ける。これにより1名が戦死、エンジンは損傷、機体は近くの島に不時着を余儀なくされる。

 

 島については何の情報も無い。同伴の男兵士達と共に島内の捜索を始める。そこで目にしたのはズタズタになった日本軍の基地と日本兵の死体だった。やがて夜が訪れる。そしてついに日米両軍は遭遇、一触即発のにらみ合いとなる。そこに翼竜が急降下で襲撃をかけてくる。こいつがB29を損傷させた原因だと知った主人公達は「この島やべえわ」ということを認識する。なおこの混乱に乗じて主人公達は日本兵を捕虜にした。

 

 どうやってこの窮地を脱するか。ある女性兵士は提案する。「日本軍の基地にゼロ戦があったから、それでオーストラリアまで飛んで行って助けを求めるのよ!」実に素晴らしい案である。事前連絡も無しに、日の丸つけた戦闘機がオーストラリア領空に侵入したら、オーストラリアの皆様はスピットファイアで歓迎してくれるに違いない。大体、触ったことも無い日本の戦闘機を操縦できるのか。できました。それも手足のごとく軽快に。「ああフィクションって素晴らしいな」と思える瞬間である。しかしこの作戦は翼竜の大群による飽和攻撃に遭い失敗してしまう。

 

 そもそもこの翼竜とやらの戦闘力は異常である。B29にしろゼロ戦にしろ、時速600kmぐらいでドンパチできるシロモノなのだ。しかし翼竜はこれらに喰らいついたり、装甲板を貫いたり、やりたい放題である。かと思えば島の捜索シーンでは、走って逃げる主人公達を取り逃がしたり、トラックに追いつけなかったり、ピストル数発で死んだりする。この翼竜達にスカウターは無意味だということはベジータでなくとも一目瞭然だろう。

 

 島から脱出する最終案は「B29を修理して、ゼロ戦を護衛に付けて強行突破すんで」である。なお捕虜となっていた日本兵はB29を奪おうとして雑に殺された。そして主人公達は出発するが翼竜達の激しい攻撃に遭う。そこでB29に搭載されていた重要機密が明らかになる。それはなんと原子爆弾だったのだ。それを投下して翼竜は蒸発して映画はFINである。

 

 上述した通り、本作は探せば探すほど粗が見つかる作品である。しかし、肝心の翼竜VSプロペラ戦闘機のバトルシーンはそれなりに気合の入ったしっかりとした造りに仕上がっている。本作は粗削りではあるが、パッケージ詐欺ではないことは保証できる。粗に関しては目をつぶり、寛容な気持ちでゴロゴロしながら見られる作品であると私は感じた。不快感は全くない。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上