ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

アイスクイーン

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あらすじ

「氷河期の要介護ババアがクネクネする」

 

 学者「氷河期に生きていた別種の人間が見つかったから研究するぜ」このアホの見本市の様な言葉で、別種の人間とやらは飛行機で輸送される。それは女性で、低体温になるほど活発化、凶暴化するとのこと。彼女は体を温める装置でおとなしくさせられているが、クソ映画の様式美通り、装置が故障して復活、操縦士をぶっ殺して飛行機を雪山に墜落させる。その衝撃で雪崩が発生し、ふもとの町は壊滅してしまう。

 

 生き残ったロッジの管理人のおじいちゃんは、災害対応部局に「雪崩で町が壊滅したから救助隊を頼む」と無線連絡するが、局員は「お前酔っぱらってんのかよバーカ」と誠意あるガチャ切りで対応する。さすが自由の国アメリカ。郷土の復興は住民自治の原則にのっとって行うべきだという憲法思想であろうか。しかし我が日本国で公務員がこんな対応をかましたら死刑レベルであることはいうまでもない。

 

 ところで氷河期の彼女とやらであるが、その造形はパッケージではアレクシア第一形態のような美的恐怖心をあおるイメージに描かれている。しかしこの画像は「還付金が出るからATMに行け」と同レベルの誠意ある詐欺行為である。実際の映像で登場するのは、全身真っ青に塗りたくられたハゲかけ白髪のババア。それがフラワーロックのようにくねくねしながら襲い来るのである。その光景は正直もう思い出したくない。もう面倒くさいので結論から書くが、このババアは民間人を3人ぐらい殺した後、主人公の手により風呂にぶち込まれて溶けて死ぬ。お湯で死ぬラスボスというものを見たのは初めてだったのである意味貴重な経験だったのかもしれない。

 

 ババアはともかく、主人公達キャラクターに魅力があれば救いはある。まずは主人公である。彼は食い逃げ、家賃滞納の常習犯で、恋人がいるのに彼女をシカトして深夜にパーリーピーポー。酔った勢いで行きずりセックスまでプレイする真面目を具現化したような好青年である。最初に少し書いたロッジのおじいちゃんは愛犬と共に生き残りを探すまともな人物であるが、彼は主人公達と完全に別行動をとっているため、おじいちゃんの活躍は映画のストーリーに大した影響を与えていない。なお他のモブキャラは殺されるか叫ぶかするだけで個性も存在価値も無い。

 

 雪崩のシーンはフリー素材から拾ってきたような雑な映像。主人公はクズ。モンスターはダンシングババア。これで怖がれというのは竹槍でF-22を撃墜しろと言っているようなものである。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上