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ファイナルファンタジー

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あらすじ

「ファンタジー(意味不明という点で)」

 

 最初に断っておくが、私はRPGのプレイ経験がほとんどない。クリアしたのはドラクエ3ぐらいで、ファイナルファンタジーといえば「クラウドとかいうホストみたいなやつが新羅と戦う」ぐらいの認識しかない。白村江の戦いが舞台ではないことぐらいは理解しているが、ファイナルファンタジーファンの方から見て、ふざけるなボケと思われるかもしれないレビューになるかもしれないことを先に謝っておく。

 

 映画の部隊は近未来。隕石に引っ付いてきたファントムとかいう宇宙人がのさばって地球人がボロボロになっている状況が明らかとなる。これに対し軍は「新型砲の砲撃で奴らをブッ殺そう」と主張。主人公の女学者は「波動の力で解決するべき」「砲撃は地球のガイアがヤバくなるからNG」とよくわからん説明で評議会を納得させる。

 

 そして彼女は元カレの軍人と一緒に波動を完成させるための「精神体」を集めに行く。戦闘シーンは凄まじく単調、兵士がお決まりの如くライフルを撃つだけの迫力あるシーンの連続は睡魔を目覚めさせるのに十分である。

 

 そうして主人公達ががんばっている間に軍が暴走する。革ジャンを着たアホ将軍は「砲撃したいけどできない…。そうや!街のバリアーをちょびっと外してファントムを何体か侵入させたら世論はビビって砲撃を支持してくれるやろ!」と天才的な思い付きでバリアーを切る。すると一瞬で街はファントムにボコられて市民に大量の死者がでてしまう大惨事を招いてしまう。

 

 しかしアホ(革)はあきらめずに砲台へと脱出。主人公達が最後の精神体を探しているド真ん中に砲をブチ込みまくったあげくにオーバーヒートした砲の自爆に巻き込まれて無意味に死んだ。お前はマジで一体なにがしたかったんだ。

 

 革(アホ)が死んだ後、主人公は元カレの犠牲を乗り越えてファントムを波動で倒して平和でハッピーなラストを迎える。ちなみに死者はみんなガイアへ帰ったらしい。意味不明である。

 

 ラスボスポジションで出てくるファントムの造形は、血便を鞭状にしたようなグロい造形である。ファンタジーどころかホラーである。その一方で元カレ軍人の部下たちは好感が持てる。腹部を負傷した黒人軍曹は車載キャノンで敵を食い止めて殉職、軽口を叩くムードメーカー兵士と男勝りの女兵士は宇宙船を発進させるために体を張って最後まで敵のど真ん中で闘いぬく。

 

 なんのかんので、今までこのブログで紹介してきた作品の中では普通レベルのちゃんとした映画と評価できるのだが、これをファイナルファンタジーファンが映画館に見に行った時どう思ったか、言葉にはできない。剣も魔法も出てこないファンタジー。オッサン達が棒立ちでライフルを発砲。バグった革ジャンがウンコを砲撃してラストはガイア万歳。一歩間違えれば新興宗教の勧誘映画ではないか。

 

 本作については、ガイアとかどうでもいいから、今まで培ったノウハウを大事にしたものを作るべきだよねと保守的な感想を抱かざるを得ない。カッコいい主人公やモンスターを楽しみにしてお小遣いで映画館に足を運んだ低年齢層のことを思えばなおさらである。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上