ワンコイン・ムービ-レビュー

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ロスト・フューチャー

あらすじ

パリピ以外は殺すな!」

 

 なんかヤバい疫病のせいで人類のほとんどはオーマイガッデムとなり文明は崩壊した。生き残った人類は槍や弓といったハイテク兵器で武装して狩猟生活を営むという原始系YouTuberと化していた。

 

 主人公である陰キャはオヤジの英才教育のおかげで失われた技能である識字能力を保有している。そんな彼が思いを寄せるヒロインは陽キャと絶賛騎乗位セックスで健康生活を送っている。

 

 生き残りの人類たちはミュータントの襲撃を受ける。ミュータントとは強力な肉弾戦能力を持ち、なおかつそいつらの発する空気を吸ったらミュータントウィルスに感染してバイオハザード化してしまうのだ。これを治療するためにはなんかヤベぇ粉(シャブではない)が必要なのである。よって陰キャ、ヒロイン、陽キャと途中参戦したモブのオッサンがシャブではない何かを探し求めて駆け回る青春ラブストーリーが本作のガワとなる。

 

 役者の肉体はみなそれなりに仕上がっており、それに原始時代風の衣装も相まってそこそこ映える絵面にはなっているため、これに対して「がんばったで賞」をあげることが犯罪的であるとまでは思わない。なお映像的に評価に値する点は皆無である。

 

 ストーリー的にも、陰キャ、ヒロイン、陽キャの3角関係が特に機能することなく揺曳しているだけである点にも苦言を呈したい。いちゃつく陽キャとヒロイン、指をくわえる陰キャ、やがて唐突に死ぬ陽キャ、しかし陰キャとヒロインの仲は進展せず、ラストでは陰キャとヒロインは別々の道を選んでフィナーレである。

 

ここに提起されるのは「陽キャ死んだけどそれは完全にただの無駄死に問題」である。なんか盛り上がりに欠けるよな~、適当に誰か死なせっかな~との意図が透けて見える文脈。もしこの陽キャが典型的な存在価値のないパーリーピーポーであったならば、いらんものはいらん精神に基づき私は本作に祝砲を発砲していたかもしれないが、ただの善人陽キャに大した役柄を与えずノリで雑に殺すというこの芸術的作劇手腕に対して抱いた感情は数直線を左に向かって全力疾走するだろう。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上