ワンコイン・ムービ-レビュー

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大洪水

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あらすじ

「理不尽」

 

 主人公のシンママがクソ田舎の住人達から「んま~、父親もいないなんてフケツざます」的に扱われていると、大洪水がやってきてめっちゃいっぱい人が死ぬ。シンママは赤ん坊を見失い、その赤ん坊はメンヘラババアによって誘拐される。20年弱経ってようやくシンママは成長した赤子と再会するも、時はもう戻らないのね・・・でバッドエンドである。

 

 開幕早々特攻をかけてくる大洪水が何かのメタファーになっているなどと考察するのは牽強付会以外の何物でもない。本作は単にシンママを理不尽にボコるだけのリョナ映画である。

 

 当初は赤子を守る母親の、女の強さを描いた作品かとも考えた。実際主人公の女は行動力をオーバーブーストして赤子を探しまくるし、登場する男の大半は役に立たないそびえ立つクソである。しかしながらなんやかんやで主人公の女はヤリ捨てしてきた男に未練タラタラで、その割にはなんやかんやで救助に来た軍人の男になびく。結局お前は男が必要なのか問題がここに惹起するわけである。さらにその上メンヘラババアによる赤子誘拐事件まで勃発する。この卑劣な事件からどうやって女性の強さを見出せばいいのか。

 

 「本作を1953年に起きた水害の犠牲者に捧げる」というクレジットから察するに、本作は事実ベースのフィクションであろう。ならば現実同様、ヤマもオチもない理不尽よりのロードマップにまとまったのは必然と言えよう。

 

 以下は映画の評価と関係のない私のグチなのですっ飛ばしてもらっても全く問題は無いのだが、舞台が半世紀以上前とはいえ、シンママに対する当りというのはなんと「理不尽」なものだろうかと感じた次第である。TwitterあたりのSNSでは女性をマンコ呼ばわりすることが日常化し、シンママのことを無計画な快楽主義者の様に書きたててコケにしている。インターネットを使っている以上、嫌でも目に入ってくるこれら雑音を奏でてくれる連中には「子どもを作るには女と“男”の協力が必要」である事実を認識できていない欠陥が存在する。おそらくは肉体的・精神的優位性を持って性行為を誘導できる地位にありながら、子どもができるとどこぞのゲリラもびっくりの速さで逃亡する。こんな男の行動がせいぜい「ヤンチャ」で片づけられ、シンママの苦闘が「不道徳」と蹴り飛ばされるのは不平等にもほどがある。私がこの国の総裁となった暁には「中出しした後で女を捨てて逃げ出したチンコ罪」を創設し、この構成要件に該当する卑怯者どもは市中引き回しの上銃殺刑とすることを公約にしたい。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上