カジノ♠ゾンビ
あらすじ
「ゾンビが出てくる(投げやり)」
「新たなるゾンビ映画のロイヤル・ストレート・フラッシュ!!」と、うわ言の様にパッケージ裏面に躍るコピーが示す通り、本作はただ舞台がカジノであるというだけの量産型ゴミゾンビ映画である。
本作がその舞台をカジノに設定した理由だの意味だのを考えることは時間の蕩尽以外の何物でもない。「カジノなら食料がタップリあるぜ」と籠城するキャラクターの雄姿に対して「ショッピングモールに籠城するのと何が違うんだ」などと投げかけてはならない。本作はセットアップからしてクソのアナルファック・ムービーである。
そこらの洋食屋にスロットマシンを置いただけの様なハイレベルな美術が市民の審美眼を養っていく。ゾンビ映画に宿命づけられたゴア描写の欠如も英断である。汚いオッサンがゾンビ化した汚いオッサンの集団に取り囲まれてウギャーとかいう。ロングショットで撮影されたその映像美は遠近感と出血表現の抑制を持って人々に臨場感を提供することだろう。
「ちょっと変化球投げてみた件www」と言いつつ実際投げたのはションベンストレートという本作。とはいえ全体的に見ればゾンビ映画の枠から大きく逸脱していないという点においては安定した設計となっているため、それなりに見れてしまうのがより腹立たしい。60点を取ろうとアプローチして、そのアプローチ自体は間違っているけれども、結果論的に60点は取れているという作品である。見ていてもレビューしていても楽しくない作品である。これ以上本作とは関わりたくない。
総合評価・星3つ(500円の価値有)
★★★☆☆
以上