ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ボアvsパイソン

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あらすじ

「ヘビ<ハゲ」

 

 成金が狩猟用に捕獲した巨大ボアが当然の如く脱走して民間人が死ぬ。立派なハゲ予備軍として通用する頭髪を持つFBI捜査官は事態に際して「いたずらに部下を投入して死者を出したくない」と意外にも理知的な反応を見せる。明晰な彼の頭脳が導き出した方程式。それは「ヘビにはヘビをぶつければええんや!」という理知のかけらもないものであった。

 

 白羽の矢が立った研究所。そこには巨大パイソンを飼育して万能血清の開発に邁進していたすばらしい研究者がいた。ヘビにヘビをぶつけるんや案を聞いた彼は「正気か貴様」と至極当然の反応を見せるがハゲ予備軍に押し切られる。巨大パイソンにはイルカを研究している女の開発した「装置」が埋め込まれる。

 

 作戦はYou are cleared to take off。そして巨大ボアと巨大パイソンは対峙する。そうなれば次に何が起こるかは自明だろう。そう、おセックスである。2匹は性欲を開放し、交尾と産卵を行う。

 

 同時にハゲ予備軍の部下が命令を無視して突撃を行い、損耗率50%の大損害を出す。ハゲ予備軍のミニマムな人望が明らかになる名シーン。そんな彼もやがてフレンドリーファイアで殉職する。特に惜しまれもしない軽い命であった。

 

 成金サイドも順風満帆である。彼の狩猟サークルは絶賛大壊滅。成金はムキムキの筋肉を無駄に見せつけながら火炎放射器でヘビと戦うも燃料切れに陥る。しばしの休息の後、再び戦地に赴いた彼は火炎放射器でリベンジを図るもまたもや燃料切れに陥る。短期間で全く同じミスを繰り返す彼の学習能力は何らかの教訓を後世に残さないだろう。無益な教材と化した彼は予定調和に従い死亡する。

 

 ラストはイルカ女の「装置」を自爆させて巨大パイソンを殺害。巨大ボアは都合よくやってきた地下鉄にはねられて死ぬ。

 

 バトルを放棄して交尾に映像資源を割くという斬新な決断により、作品から緊張感を減殺するという効果を選択した製作陣の心中はいかばかりであったのか気になるところだ。ヘビが前面に出てこない分、相対的に前に出てきたハゲ予備軍の求心力の無さと作戦ミスが目立つ悲しい作品だった。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上