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レジェンド・オブ・サムライ

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あらすじ

「超時空スペクタクル日本刀アクション!!(大嘘)」

 

 日本刀を持ったオッサンがデーモンと戦う本作は、デーモンを突き止める探索パートとデーモンをしばく戦闘パートの繰り返しによって成り立っている。よく言えば同じことの繰り返し、悪く言えば工場大量生産型の魂の入っていないゴミクズである。

 

 主人公のオッサンは重い設定を背負っている。「決して死なない男」「忘れられない記憶」「許されざる過去」。なぜ死なないの?記憶や過去って?本作はこれらについて何一つ語らずになあなあでエンドロールまで貫き通す。その突破力と傲慢さはまさにコンピューター付きブルドーザーというにふさわしい。

 

 戦闘シーンはどうだろう。明らかに手加減しているのがわかる寸止めパンチにポコポコと情けなく響く効果音。「日本刀アクション!」と威勢よく咆えるコピーに反逆するように映るのは、ガチガチになって刀を構えるオッサンの情けない姿だ。武道の授業で中段に構えた高校生の方がまだ迫力がある。

 

 そう、日本刀アクションである。主人公は戦闘において釵を使う。「節子、それサムライちゃう、琉球武術や!」と言いたくなったが白人様からすればファッキンイエロージャップモンキーの武器は皆サムライなのだろう。

 

 オッサンが修行するシーンも意味不明である。彼はアジア人の老師と山中を散歩する。すると突然忍者が彼らを襲撃する。その巻き添えを受けて農民が死ぬと主人公はその死体を担ぐ。そして彼は高らかに宣言する。「今、わかりました」。もちろん何がわかったかは不明であり、わかったことが活かされることもない。

 

 倒されたデーモンの最後も酷い。主人公の一撃によりデーモンが致命傷を負う。するとデーモンは白目を剥き『もののけ姫』のコダマを早送りしたように首をカラカラと高速で震わせ地獄の穴へと飲み込まれていく。その様はハイテンションで悪ふざけをする幼児のようで実に微笑ましくない。

 

 本作を正視することは時間をドブに捨てると同義でありお勧めしない。どうしても見たいという方はビジネスホテルで仕事の準備をしながらBGM代わりに流すといいかもしれない。私は絶対にやらないが。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上