ゴースト・フライト407便
あらすじ
「アテンションプリーズ(失笑)」
かつて謎の航空事故が起きて人がいっぱい死んだ旅客機が本作の舞台である。死者の怨霊がでてきてえらいこっちゃと乗客がギャーギャー騒ぐだけの105分。実に快適な空の旅ではないか。
怨霊の出来について。メイクは頑張っている。ビジュアルは悪くないのだ。しかしである。出し方がアレなのだ。怨霊が出てきて登場人物が恐怖するシーンの数々はいわゆる「奇襲」によって演出される。そう、しゃっくりを止めるために不意打ちでおどかすあのやり口だ。より具体的にいえば登場人物が振り返った瞬間にデデーン!とやる感じ。
ビビるという、お化け屋敷のようなアトラクション的結果を受け入れて楽しめる人なら何ら実害はないだろう。しかし人間の反射を利用したびっくり箱のような手法からは、当然のことであるが、ことわりや論理や流れといった理知的な要素を感じ取ることはできない。すなわち本作は映像やストーリーで魅せる映画ではないのである。
その反面、焼け石に水であるも、舞台となる旅客機の表現はよくできていたと愚考する。人間と対比される時、それは不動の牢獄の様な重さをもって映る。空と対比される時、それは荒波の中の難破船のような脆弱さで映される。
恐怖感もグロ度も今一つである本作はコメディとして楽しむのが正解かもしれない。本作登場人物の華麗なる死に様を書き出してみよう。
「オカマの脳天に刺さる斧」
「坊主はお経を唱えた!しかし何の意味もない!」
「ババア心臓麻痺!天国へパトラッシュ」
サザエさん風にまとめてみようと思ったものの全然うまくいかなかったのはひとえに私の無能に起因するのだろう。来週もまたみてくださいね。グフフ。
総合評価・星2つ(500円の価値無)
★★☆☆☆
以上