ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ジュラシック・ハンターズ

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あらすじ

「恐竜発掘!」

 

 鉱山を掘っていると地下に生息していた恐竜が地上に出てきた!だから撃ち殺すぜ!本作が非常に頭の悪い作品であることに疑いを差し挟む余地はどこにも無い。

 

 舞台であるモンタナ州の自然を映しながら、わりかし丁寧にセットアップが行われる。主人公の白人男性はかつてロデオの名手だった。しかしある日行われた競技で牛に振り落とされたあげく踏まれまくって大けがをしたのだ。彼はそのことがトラウマになってロデオができなくなり職を失った。そして酒に溺れ恋人にDVを振るうのだ。ん?

 

 恋人を殴りまくった後、町から逃げるようにして出ていった彼は3年の月日を経て舞い戻ってくる。そしてかつての恋人を探して会いに行く。第一声は「よっ元気?」。ふざけるな。

 

 悲劇の主人公として機能していないクソDV野郎は論外としても、恋人の女も大概である。彼女は今は別の男と付き合っている。しかしクソDV野郎が帰ってきたらなんだかんだで「やっぱり愛してるの!」とかぬかして抱き合ってキスする。私は叫びたい。節子、それ愛やない!共依存や!

 

 クソDV男の設定についてはやたら時間をかけて描写がなされたが、その割には彼は終盤まで全く活躍しない。代わりに活躍するのは脇役のハゲ黒人である。彼は鉱山で働いている普通のオッサンだがプライベートではガンマニアであり大量の鉄砲を持っている。その鉄砲がことごとくフルオートだったのが気にかかったがモンタナ州は規制が緩いのだろうか?ハゲ黒人の最後は見事だった。彼は叫びながらPK機関銃を乱射し多数のヴェロキラプトルを倒すも衆寡敵せずヴェロキラプトル達の胃袋に分散投資された。

 

 本作の最大の残念ポイントは恐竜に対する愛が感じられないところである。本作に登場するそれはカクカクした不自然な動きで人を噛むだけ。そこからは雄大さも敏捷性も知性も感じ取ることはできない。

 

 本作を結論すると「クソDV男がトカゲを撃ち殺しつつヒロインと共依存になる」という明るさ極まる家族計画である。子どもと笑って見れる映画ではないことは火を見るよりも明らかだ。

 

 本作で最高に輝いていた美徳は悪役である鉱山経営者のヒゲデブオヤジである。彼は利潤第一主義のもと鉱山を稼働させ続け恐竜襲撃の原因を生み出す。その後は好きなだけ金をやるから俺を助けろとわめきちらしたり、民間人を囮にして自分だけ逃げだしたりする。4WDに乗り込み脱出を図ろうとするヒゲデブオヤジ。しかし4WDの後部座席にはディロフォサウルスが相席していたのだ。放たれる毒液。潰される目。ヒゲデブオヤジは神の見えざる手によって無事ネドリーされたのであった。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上