ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ナイトメア ミュージアム

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あらすじ

「遺跡から発掘された魔獣バジリスクの巨大な石像。アメリカ自然史博物館で、それは突然動き出した!!その魔力で人間を石に変え、大都市をパニックに陥れる不死身の怪物。奴を倒す鍵は、秘宝メデューサの瞳に隠されている……(パッケージより抜粋)」

 

 本作は価格相応の作品と言えるだろう。男性主人公とヒロインを中心にコミカルな脇役を交えて、軽口やジョークを叩きつつバジリスクへ挑んでゆく冒険活劇だ。私は本作の助演男優賞にみんなだいすきアメリカンアーミーをノミネートしたい。本作においてアメリカ軍は「銃を乱射する」「モンスターに喰われる」という宮本武蔵も真っ青な二刀流をもって斬られ役としての伝統文化を継承するのみならず、裏方に回り主人公たちをサポートする役もきっちりこなしている。彼らはただの脳筋ではない。

 

 暴れまわるバジリスクのスケールは初代バイオハザードの中ボス、ヨーンと同じぐらいだろう。スケール感に若干の難があるも、バジリスクが博物館、下水道、ショッピングモール、原子力発電所と様々な舞台をこれでもかと縦横無尽に暴れまわる絵面はなかなかのものである。

 

 人間側の悪として活躍する、文化財をパクって主人公を妨害するシリコン乳チンパンジー顔の女資産家もキャラ立ちしていて良い。作中終盤では彼女のシリコン乳にへばりつく下着姿を鑑賞することも可能だ。誰の需要に答えているんだとは私の感想である。

 

 本作の弱点はそのコミカルさだ。シリアスとの調和がとれていない。本作はパッケージとは裏腹に、結構がっつり人が死ぬ。そんな状況でも断続的に投入される軽口は少々軽薄に映る。「やれやれ女性はこの世で最も扱いづらい生き物だぜHAHAHA」とか言った次の瞬間米兵がズタズタに切り裂かれると言えばそのアンバランスさが伝わるだろうか。

 

 理論派で理知的な科学者という設定のヒロインが、理論も根拠もなく「カントリーソングを大音量で流してバジリスクをビビらせましょう!」と作戦立案した際には彼女と暴走族との関連性を疑った。「バジリスクを倒すには古来より伝わる宝石の杖が必要だ」という設定から「宝石の光も原子の光も似たようなもんや!よっしゃバジリスク原発の冷却炉にブチ込んだれや!」という解決法へと帰結した超展開にはどないやねんとの思いを禁じえなかった。

 

 ともあれ本作は大筋で大きくバグっている作品ではない。大味な娯楽作品、500円を投入しても泣きを見ることはないだろう。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上