あらすじ
「エイリアン成分を含んだ隕石が地球に落下。人間はゾンビ化。エイリアンはそれに寄生しててんやわんや」
登場するバケモノの質はそこそこ良い。男性寄生体からはリッカーの幼体の様なモンスターが生まれ出る。電灯が明滅する暗がりの部屋の中、赤くよどんだ筋肉の塊が人を襲うシーンはなかなかに恐ろしい。女性寄生体からは巨大化した血まみれのダンゴ虫の様なモンスターが現れて、顔面を触手でがんじがらめにして攻撃してくる。生理的に結構来る絵面である。
さて、本作はゾンビだうわぁぁぁズギュンバギュンといった作品ではない。大半の時間は、このゾンビはいったい何なんだという動機に基づく解剖を中心とした流れに費やされる。この解剖のシーンであるが、私の様に股間に珍棒を装着せし性別の持ち主にとっては恐怖である。男性感染体は性器がもげて落ちる、性器があった場所には金玉の様な楕円形のしこりが、メス代わりのナイフでそれをコリコリ!鼠径部に嫌な感触を覚えることは間違いない。もしこの世に仮想金玉フェチというジャンルがあるならば本作はエントリーが可能だろう。
登場人物もそこそこ濃い。戦闘能力の高いゲイのニイチャンや、聖書を引用してこの世は終わりやとブツクサいうニイチャンや、替えが無いので仕方なくピンクのTシャツを着て戦う黒人のマッチョや、銃を振り回して調子こいてたら皆に嫌われて追い出されて戻ってきたと思ったら何故か良いやつにクラスチェンジした後即死亡するオッサンなど、よりどりみどりである。私が一番気に入ったのは元ポルノ女優のオバハンである。彼女は内輪もめをするオッサンに対して啖呵を切る。その意味の無さが心に響いたので引用したい。
――いい?私は2,000本のポルノ映画に出た。それで8,000人の男とヤッたわ。2,013人はアナルだったのよ?
アナルだったら何なんだと叫びたい。いらない情報だけで構成されたこれを書いた作者の気持ちを考えたい。ともあれ、本作は金玉とアナルが好きな紳士淑女が購入するために作られた値段相応の低予算映画である。
P.S.「ただ繰り返せば反復になるわけではない」というお叱りは確かに届いた。さりげない教えは伝わっています。
総合評価・星3つ(500円の価値有)
★★★☆☆
以上