ワンコイン・ムービ-レビュー

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サラマンダー

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あらすじ

ドラゴンクエスト

 

 火を吐くドラゴン、サラマンダーに地上が支配された世界が本作の舞台である。冒頭ではわずかに生き残った人類がシェルターを中心に細々と生きる様子が描写される。そこで特に注視したいのはサラマンダーの炎に応戦する改造消防装甲ポンプ車だ。この手の現地改造車両はなぜこんなに魅力的なのだろう?それは要求される必要性を満たすべく、あるもので何とかしたという器用な不器用さへの愛着ではないだろうか。

 

 やがて筋肉モリモリのハゲが義勇軍を率いてやってくる。彼は「サラマンダーはほとんどメスばっかでオスは一匹や。そいつを殺せば勝ちや」という生物学的にどうなのよ設定をアンロックする。義勇軍は装甲されている。T-72戦車を筆頭にBTR装甲車、ストライカー装甲車、ハンヴィーときてトドメにUH-1ヘリコプターである。いずれも大なり小なり現地改修を受けたうえで埃まみれになっている。実にベリーグッドではないか。

 

 ハゲがシェルターから徴兵をおっぱじめると、主人公のヒゲが出てきてハゲと殴り合いを始める。両者ともに筋肉は祭られている。そしてその筋肉は黒く煤けている。その鈍い輝きは鉄鉱石のようだ。もしかしたら本当にこのシーンは鉄鉱石なのかもしれない。この戦いは地下から地上へと這い上がりドラゴンを倒そうとする採掘なのだ。

 

 そしてハゲの部隊は無事壊滅する。ハゲと生き残りの女将校が主人公のヒゲと協力、スニーキングミッションでサラマンダーの生息地へ侵入する。そして火薬付きボウガンの矢をクロスボウでサラマンダーの口内に撃ち込んでYou Winである。

 

 サラマンダーの生息地であるロンドン市街、このセットのつくりは良かった。そこには土のうやドラム缶といったものがない。もっと具体的に言えば陣地を構築した形跡がないのである。ここから読み取れるのは2つのパターン。1つは陣地を作る間もなくサラマンダーに殺られたか、1つは陣地などはなから役に立たないと構築を放棄されたかのいずれかである。どちらにせよ導き出されるのはサラマンダーの圧倒的武力である。

 

 朝目が効かないというサラマンダーの重大な弱点がいまいち描けていなかったりとか、ハゲが斧を両手にビルから飛び降りサラマンダーと空中戦を演じようとして無事死亡するおちゃめなギャグシーンなど、突っ込みどころはあるものの、本作はそこそこのモンスター・アクション映画として気楽にみられる一品である。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上