ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

シティオブ・ザリビングデッド

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あらすじ

「全編フルアニメで魅せる!(魅せない)」

 

 寄生虫によって慢性ゾンビ病がパンデミックを起こし、崩壊した社会の中で活躍する老黄忠を描いたものが本作である。老黄忠は歩行器と会話しながらゾンビの蔓延するショッピングモールへと向かう。その理由は「ワシは新しい靴が欲しいんじゃ」である。

 

 一度はこのバカ死ぬ気かと思ったが、冷静に考えれば彼の行動は人類の本質に基づいている。昔々、元ポストカード職人のヒトラーとかいうオッサンが死んだ後、彼の愛人のドレスを巡って赤軍女兵士は争ったと聞く。戦時中ですらオシャレは大事なのだからゾンビごとき屁でも無いことは火を見るよりも明らかである。

 

 ボケジジイはモールで負傷した女看護師と出会う。彼女は傷の治療を求めるがジジイは「若者は元気なんだからワシの靴を取ってこい」と特攻命令を下す。そんなの無理よと抗弁してもジジイは聞かない。そうこうしているうちにゾンビが接近、女看護師は死亡、ジジイは逃走、こうして彼は少子高齢化を食い止めることに成功する。

 

 次にボケジジイはホビットみたいなオッサンと出会う。靴を探してゾンビシティを徘徊していることをホビットに告げると、「頭の病院に行け」と活動の正当性に太鼓判をもらう。そして2人の逃避行。チョロQみたいな車に乗ってゾンビを雑に轢き殺す。

 

 ホビットと別れたボケジジイは歩行器を無くしたので、今度は靴と会話を始める。道中では大型バイクに乗って二丁拳銃振り回したりスケボーで調子こいたり楽しそうである。しかし幸運だけ続くなどありえない。ジジイはゾンビに囲まれ追いつめられる。しかしそこには失くした歩行器の姿が!歩行器を手に入れたらどう使うか。お分かりだろう。答えは戦国BASARAである。

 

 ボケジジイは歩行器を蜻蛉切の様にブンブン振り回してゾンビを殴り脳を破壊する。ただ殴るだけでなく、歩行器の輪になっているところをゾンビの首に引っ掛けて頭をブッコ抜くCQCをも披露する。お前そんな膂力あるなら歩行器なんかいらないだろなどと考えてはいけない。

 

 戦いがひと段落した時、ある新聞記事がボケジジイの目に入る。「新種の寄生虫が発見された。これに感染したら急激に老化して幻聴や幻覚症状が起きる」。歩行器と会話するジジイ、この様態を冷静に考えたら役満であることをジジイは悟る。ではどうしたらいいのか。彼は「ワシは靴屋を経営してバイクレース場を作って美人の嫁をもらって家を建てるんじゃ」と空想の世界にピーターパンした後、無事ゾンビ化した。

 

 バグった老人がショボい三國無双をする。本作はそれ以上でもそれ以下でもない。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上