ワンコイン・ムービ-レビュー

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第三種接近遭遇 クローズ・エンカウンター

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あらすじ

「三種(アル中、無能、クソガキ)」

 

 ハンターのおっさんとカメラマンのオッサンが「山中で鹿狩りするビデオをウォルマートで売ったら億り人やで」と脳内お花畑に種をまく。彼らは出資者のガキまで巻き込んで狩猟に参加させたあげく「ビデオのタイトルは『ストーキング』、これで大勝利や!」とマーケティングの才能を露呈する。

 

 カメラマンのオッサンは実はアル中で、撮影前日に「俺はやればできる男なんだ」と虚空に向けて語りかける悲しい男である。あくまで私個人の狭い体験の範囲でしか語れないが、やればできる!とほざく連中が実際に何かをやった事例を私は知らない。残念ながら本作においてもその法則は当てはまってしまったことを先に告白しておく。

 

 鹿を狩るために山中に入ると、ギリースーツを着たハゲがガキ相手にオラつきながら「この山はヤバいから入るな」と忠告してくれる。毎度毎度残念で仕方がない。この手の連中は具体的に何がヤバいのかを話してくれない。本気で止める気があるのか。無いのなら真にヤバいのはお前の頭髪だと言わざるを得ない。

 

 そして山の中でキャラクターが大活躍する。アル中カメラマンがこっそり酒を飲んだり、マンホールポンプのメーターみたいな装置があったり、その周辺に盛塩みたいなのがあったり、誘うような声が聞こえたりする。しかしこれらはウォーキングの中で脈絡なく断片的に聞こえるのみであり緊迫感もクソも無い。

 

 夜が更けてきたのでハンターは安全のために引き返すことを提案するが、アル中とガキが「いけるいける」と根拠無き楽観主義を発言し、ハンターも流される。ハンターよ、お前はそれでもプロか。統率力も決断力も無いプロに何の存在価値があるのか。結局一行は山の中でキャンプし、アル中はこっそり酒を飲む。なおその現場をガキに目撃されたのでアル中はガキ相手にオラつく。この映画は児童抑圧ムービーなのだろうか。

 

 そうこうしていると彼らの周りを白い布切れがひらひら舞いだす。すると三重奏が奏でられる。ハンター「逃げるんや」、アル中「撮影するんや」、ガキ「泣くんや」。もはや救いようのない演奏である。

 

 聞くに堪えない混声合唱がひと段落すると、ギリースーツハゲが再登場。彼は「ここは刑務所なんや、彼らに従うしかないんや、でもガキだけは…」と温情を見せ、ションベンをガキにぶっかけて「彼ら」の襲撃からガキを守ることに成功する。なおハンターとアル中は死んだ。そしてクレジットには「この作品は実話に基づいて作られている」という詐欺めいた文章が垂れ流されてフィニッシュである。

 

 「第三種接近遭遇=異星人との接触」「知ってはならない真実」などと偉そうにほざいておきながら、内容は無能なオッサンが死んで、ガキがスカトロプレイを食らうという悲しい内容である。宇宙人の未知の力より人間の愚かさの方が怖いんや。その事実を再認識できた点だけが本作の功績であろう。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上