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トランスモーファー 人類最終戦争

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あらすじ

「メカは頑張ってる」

 

 2009年、地球から2000万光年先の星に生命体が発見された。人類は彼らと交流すべく友好のメッセージを送る。そして5年後、返ってきたのは「死ねカス」という平和宣言であった。瞬く間にエイリアンの攻撃で人類の9割が死亡。わずかな生き残りは地下に潜伏して生存を図っていた…

 

 私が小学校で習った事の1つに「光の速度が一番速い」というのがある。しかし本作では光の速度で2000万年かかる間をわずか5年で通信している。私の知能では2009年に通信に関する光速超え技術的ブレイクスルーがあったという話は聞いたことが無い。それとも小学校で教わった事が間違っていたのだろうか?あえて間違った理系知識を洗脳し、子ども達を文系だらけにして作者の気持ちを考える国へと変質させる国家的陰謀が画策されていたと仮定するならばこれは恐ろしい事態である。

 

 本作に話を戻そう。生き残った人類はエイリアンに対抗する案を提示する。それは「エイリアンが使っている戦闘ロボを捕まえて、そのコアにウイルスを仕込む。そうすればウイルスがエイリアン全体に広がって大勝利や!」というインデペンデンスな案である。人類の独立記念日がどうとか叫びながら大統領が戦闘機に乗るところまでいかなかったのは監督の良心であると期待したい。

 

 作戦は実行に移され、主人公の率いる部隊はロボットを捕まえることに成功する。しかしフレームを開けてみると、なんとそれはロボではなく装甲服を着たエイリアンそのものだったのだ。予想外の事態にどう対処すべきか。学者達は英断、というより何も考えていない決断を下す。彼らはロボットにやる予定だった事と同じように、ドライバーなどの各種工具をエイリアンの内臓器官にぶち込んでいじくり回す。なおエイリアンは天に召された。当然であろう。

 

 そして学者達は次の案を提示する。「実はエイリアンの技術を使ってアンドロイドを作ることに成功してたんだよね(笑)。さっきの解剖でコアっぽいのは摘出できたから、そのコアにウイルスを仕込んでアンドロイドに搭載して敵の本拠でばら撒けばノープロブレムだよ。もちろんアンドロイドは帰ってこれないよ?」これを日本語に訳せば「Let’s KAMIKAZE」である。ちなみにそのアンドロイドは主人公であることが明らかにされるが主人公は「知ってた」と無意味に冷静に回答する。一体なんなんだこいつらは。ラストは主人公が敵の本拠地に乗り込んで「ヌホオオオ」とか叫んでウイルスを拡散させて死ぬ。エイリアンはウイルスで死んで人類は大勝利である。

 

 本作においてはCGで登場するメカが作品の質向上に善戦している。もちろんCGの質はお察しだが、小型の歩兵ロボを大量投入して進撃のメカ軍団のシーンを演出したり、大型メカが変形して2連装キャノンになったり、戦車になったり、巨大タワーが二足歩行型ロボに変形して動き出すシーンなどギミックに力が入っている。その力をもう少しストーリーに振り分けられなかったのか、惜しい作品である。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上