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S.W.A.T. 闇の標的

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あらすじ

「かまってちゃん(中年男性)」

 

 本作を全体的に評価すると、気楽に寝そべって楽しめるアクション映画であるといって問題は無い。

 

 主人公はエリートSWAT隊員で、その能力を買われデトロイト市警に派遣され、デトロイトSWATの訓練教官となる。マヌケなSWATもどきを叩きなおしていく根性もの映画かと思ったが、デトロイトSWATの面々の能力は必要な水準に達していた。主人公は彼らに、現代戦訓を取り入れたトレーニングを施し、彼らをさらに強化してゆく。

 

 デトロイトSWATのメイン装備は、ACOG付きのM4カービン、MP5 R.I.SにレミントンM700。サブ装備はSIG P226である。これらをまとめると「まともな教官が、まともな武器を持ったまともな部下を教育する」という素晴らしい世界が浮かび上がってくる。何が素晴らしいかは言うまでもないだろう。バカがいないということである。

 

 そう思ったのもつかの間、事件が発生する。ちなみに犯人はバカである。私が望んだ理想郷はあっという間に崩壊した。犯人の中年男性は金髪の姉ちゃんをストーキングしまくって立てこもるという愉快な社会奉仕活動の常習犯であった。SWATはこのバカをどつきまわすことに成功するが、金髪姉ちゃんは「ストーキングされまくってメンタルが限界っすわ」と自殺してしまう。人質を救えなかった後味の悪い事件として主人公達SWATチームは悲嘆にくれる。

 

 なお中年男性は保釈金を払ってマッハで出所。あげく「金髪姉ちゃんが死んだのは主人公のせいだ」と詭弁論理学を駆使しターゲットを主人公に転換する。この気持ちの切り替えの早さはメンタルトレーニング的に見習いたいものである。彼は主人公の部屋に「金髪姉ちゃん安らかに眠れ」と書いたパチ屋の花輪じみた物体を不法投棄して主人公の車に爆弾を仕掛ける。

 

 デトロイト市警の精神分析官によると「中年男性は主人公にかまってほしくて爆弾を仕掛けたと思われる」とのこと。小学生が好きな女の子にちょっかいを出す感覚でプラスチック爆弾を使うアメリカという国はいったいどんな闇を抱えているのだろうか。まあいろいろめんどくさいオッサンであったものの、最後は自分の作った爆弾をぶつけられたあげく窓から吹っ飛んで汚い花火と化して死亡。ラストはハッピーエンドである。

 

 以下は細かい指摘点であるが、主人公と途中加入する女スナイパーの装備が他の隊員と違っていたのが気にかかった。主人公はマクプル MASADAを装備し、女スナイパーはSRS-A1を装備している。おそらくはキャラ付のために他隊員と違った銃を持たせたものと推測されるが、私はこれをあまりいい方法とは思わない。マッチョにマグナムを持たせたり、美女に装飾銃を持たせたりするという個々人の印象に合わせて銃を選ぶのならわかるが、単に美男美女に最新の銃を持たせましたでは芸もなにもあったものではない。個人的には持つ銃にはストーリー性が欲しいところである。例えば他の隊員が全員ポリマーフレームの多弾数オートマチックハンドガンを装備する中、主人公はS&W M10を頑なに使い続ける。その理由を問われると「これは親父の形見なんだ」。こう返されて落ちない女はいないだろう(根拠は無い)。皆さんも武器を選択する際には慎重に考えて頂きたい。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上