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サバイバル自衛隊 SO SOLDIER

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あらすじ

自衛隊よわっ」

 

 9.11テロ後、各国はテロリスト対策に備えていた。それは日本も例外ではなかった。自衛隊は対テロ任務を想定し、レンジャー隊員をグループ分けして山中にて戦闘訓練を行う。条件は「武器の携行は不可。食糧は持てる分だけ。山中にて分散後は他のグループを殲滅せよ」というものである。これを日本語に訳すると「山の中でケンカ有りの鬼ごっこをしてこい」となる。これのどこに対テロ要素があるのだろうか。今まで読んだ軍事関係の文献やニュースではとても理解できない、もしくは私の頭が悪すぎてこの素晴らしき訓練の意義を理解できていないのかもしれない。

 

 主人公達の部隊は「どーせ訓練なんだし適当でいいっしょ」と精鋭の名に恥じぬ真面目さで山中を逃走していた。そこで彼らは遭難した民間人のハイカー達と遭遇する。普通なら訓練本部に連絡して彼らを救助するだろう。しかし主人公達は「救出したら俺ら訓練から脱落扱いになっちゃうじゃん。それってダサくね?」という理由で本部への連絡を行わず、民間人を脅迫し訓練に同行させる。まさに国民を護る自衛官の鑑である。このシーンが防衛省の公式ホームページに掲載されたなら自衛隊を志願する若者はうなぎのぼりになるだろう。

 

 その後しばらくは自衛隊員と民間人達のほのぼのシーンが続く。民間人の放った凄まじい勢いの立小便にマジビビりする自衛官、レンジャー隊員のくせにワライダケを食って笑い続けるバカ、自衛官2人が民間人1人を両サイドから囲み食料を略奪するシーンなど多数の微笑みあふれるシーンは現職隊員に喧嘩を売っているとしか思えない。

 

 時を同じくして謎の敵によって他の部隊が次々と殺されてゆく事態が発生する。いったいその謎の敵とは誰なのか?なんとそれは遭難した民間人だったのだ!(棒読み)やがて主人公達の部隊も彼らに襲われボッコボコにされて1人を除き殺される。なお民間人は内ゲバで壊滅する。なおこの民間人達は「私たちは闇の一族だ」とか言っちゃってる。ここで視聴をあきらめなかった自分を褒めてあげたいと思うのは甘えだろうか?

 

 ラストは1人生き残った隊員が「回復したんで自衛隊に復帰しまーす」とアホ面で笑いながら海辺を走るシーンである。本作の何が凄いかといえば、自衛隊の力で何も解決していないという点が凄すぎる。これのどこが対テロなのか。生き残った隊員は笑ってる場合じゃねえだろとの思いが沸々と沸き上がる。

 

 格闘シーンにしても、アッパーで人が空中に浮遊したり、蹴りで人を10mぐらいふっ飛ばしたりするリアリティ溢れる徒手格闘シーンは、「自衛隊」という現実組織を超越する、もっと言ってしまえば侮辱する、素晴らしいアクションである。とても擁護できない。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上