ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

キング・オブ・ロストワールド

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あらすじ

「適当の見本市」

 

 旅客機が黒煙を吐きながら猛スピードで山へ墜落するシーンから映画はスタートする。墜落後、ケガをしながらも次々と無事に出てくる乗客を見た瞬間「これはアカンやつや」との直感が私の神経を駆け抜けた。キャビンアテンダントは乗客を助けるどころかヒステリーを起こし全く役に立たない。その内、紺色のポロシャツを着たオッサンが場を仕切りだす。彼は「山の向こうに飛行機の残骸が見える。そこで無線が使えるかも」と提案する。そこまでの道は目算で2km。高低差バリバリの山道ジャングルである。危険だと忠告してくれた生き残りの1人に対して彼は「大丈夫(^^)」と鼻で笑い、賛同者と共に水も食料も持たずに出発する。

 

 そして数分後、巨大グモの襲撃により1名死亡。残骸の無線は使えない。夜は残骸内で過ごそうとするが豪雨により全員がズブ濡れに。豪雨を避けるための雨よけを探している最中に、殺人植物の襲撃でさらに1名が死亡する。

 

 この惨状に不安がるメンバーに対してポロシャツは「もう大丈夫だ」と優しく声をかける。その信頼感溢れる雄姿からは、かつて262日天下を誇ったトラストミーおじさんの友愛オーラと同様の物が輝いている。大丈夫の言葉通り、メンバーの1人が傷の化膿で自力歩行不可の重傷に陥り、1人は謎の集団に拉致されて行方不明となる。挙句の果てには巨大サソリ軍団の襲撃である。しかしながらサソリは何の害も及ぼさない。サソリはポロシャツを串刺しにして天誅を加えた後、他のメンバーを殺傷することはなかった。

 

 サソリから逃亡後、謎の部族が現れ、生き残りを牢屋にブチ込む。部族は生き残りをイケニエにしようとしていたのだ。何故か。この島にはキングコング翼竜が住んでいる。奴等から身を守るためにイケニエで翼竜を手なずけキングコングへの番犬として使う。これが部族の思考回路である。翼竜がそんな簡単に制御できるなら某ジュラシックは運営に苦労しなかっただろうなあと、ハモンドを憐れんだのは私だけだろうか。

 

 そしてイケニエの儀式が始まるが、普通にキングコングも出てきて、翼竜は死ぬわ、イケニエは死ぬわ、部族は死ぬわ、もうわけがわからない。「見た…だが信じられん」というのが率直な心境であるが、こんなクソ映画とアウステルリッツを比べるのは歴史に対する非礼であろう。

 

 なんとかその場から逃げ出した生き残りは、他の墜落機にあった小型核兵器を起爆させてキングコングをぶち殺す。そして「未来はあるさ」と夕日を見つめてフィナーレである。

 

 登場人物が多すぎて個性もセリフも無く喰われる奴までいる配役。チョロチョロとしか出てこず大した見せ場も無い怪物たち。これのどこに未来があるというのか。本作に送る言葉を見つけるとすれば「てめえらに今日を生きる資格はねえ」の方が適切であると愚考する。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル

★☆☆☆☆

 

以上