ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ダスト

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あらすじ

「本作の脚本家は人非人

 

 本作の前提舞台となるのは、ある精神病院。そこでは精神障碍者の頭をドリルでぶち抜き生きたまま火葬するような「医は仁術」を体現する医療行為が行われていた。これら健全経営の結果であろうか病院はブッ潰れ廃墟となる。本作の主人公たちはその廃墟の近くにある大学の心理学部生である。

 

 主人公は精神的に不安定なところがある女の転校生。彼女を取り巻く友人たちは好感の持てる人間ばかりである。リーダー格の青年は常識人で主人公に恋心を抱く。ルームメイトは優しい女の子で、主人公が深夜に情緒不安定になっても一緒に付き添ってくれる心の温かい女性である。そしてもう1人、口は軽いが気の良い兄ちゃんが出てくる。彼は主人公に対して心無い言葉を投げかける女3人グループに対して「君たちは美人かもしれないが、俺に言わせればクソ同然だ」と正面からメンチを切れる正義感の持ち主である。

 

 異変は彼等4人が廃墟に肝試しにいったことから始まる。リーダー格は急にサディスティックな性格になり、ルームメイトは情緒不安定になり泣きじゃくる。気のいい兄ちゃんは潔癖症になって清潔なじゅうたんに洗剤をぶちまけてひたすらこすりつづける。主人公を馬鹿にしていた女3人組も行方不明になる。いったい何が原因でこうなってしまったのか。それが本作を産業廃棄物たらしめる要因である。

 

 「主人公たちが肝試しに行った際、精神障碍者の遺灰を吸い込んでしまった。それが原因でみんなバグってしまったんだよ」というのが本作の論理展開である。全くもって意味がわからない。この論理からは脚本家の差別意識以外の何物も感じ取ることができない。精神障碍者といっても色々な人間がいるだろう。親しい人間を犯罪で失った人、事故で身体障碍を負った事から精神にも不調をきたした人、職場でセクハラやパワハラを受けた人。様々な人々がいるはずだ。それらを適当にひとまとめにして「メンヘラはヤバイ奴らなんっすよ」などとろくでもないロジックを組み立て、モンスターや幽霊と同列に扱うという行為には心の底から軽蔑の意を献上したい。

 

 ラストにしても「なんかよくわからんけど正気に戻ったから主人公たちは助かりました。でも廃墟から広がった灰が近隣の子どもたちに感染してやばい事になるんじゃね」という下痢便の様なさわやかな終わり方である。なお本作はその冒頭で「これは事実に着想を得た作品である」とほざいているがその事実とやらが本当に存在するのであれば是非明示して頂きたいものである。

 

 本作のレビューはかなり辛辣なものであると自覚している。私自身、仕事の後に視聴したから神経質になっていたのではないかと考え、いつもは全くしない推敲をしてみたのだが、どうしても本作に対する怒りはおさまらない。

 

 正直このブログはろくでもない自己満足ブログである。自分で勝手にワゴンセールに突っ込んで愚痴を書くという「お前何様だよ」言われても仕方のない内容である。しかしなんだかんだで「低予算映画にもいいところはあるだろ」との思いがあって始めたブログでありどんな作品でも星1つはつけてきた。しかしながら本作はそれすらためらわれる内容である。差別や偏見と闘うことが人類の義務である以上、私は本作の様な卑劣な映像を評価する気には断じてなれない。

 

 

総合評価・星0つ(人道に対する罪)

☆☆☆☆☆

 

以上