ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

バイオソルジャー

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あらすじ

「アクション以外はゴミ」

 

 ロシアの秘密兵器研究所で異変が発生、ベテランの特殊部隊は原因解明のため科学者を伴い研究所へと向かう。そこでは突然変異により生み出された新種のウイルスによって全滅した研究員の姿があった。このウイルスは人間の知能を破壊して最終的には暴力衝動に突き動かされるだけの獣へと変貌させてしまうものであった。

 

 科学者は「ここに突入した俺たちも感染したから死のうぜ。規則でもそうなってるし」とほざいて真っ先に自殺する。ウイルスに知的対処ができる人材はお前だけなのにふざけるなと言う他ない。しかもこの科学者は「本部に戻れば解毒剤はあるが、取りに戻る時間は無いし、有っても俺たちが戻れば感染が広がっちゃうぜ」とも教えてくれる。ますますふざけるなである。解毒剤があるんなら最初から準備しとけよ。中年にもなってその程度の段取りも組めないとは日本のリーマンより劣る能力である。こいつに博士号を与えた大学は幼稚園レベルであることは間違いない。

 

 特殊部隊の隊長も隊長で、「タイマンで殺しあうゲーム形式で死のうぜ」などと悪徳賭博屋のような発言を投げ捨てる。簡単に諦めて死を選ぶ、これでよく精鋭を名乗れたものだと感激を覚えざるを得ない。この隊長は佐久間勉の遺書を100億回読むべきである。

 

 しかしながらこれらクソの様な設定の負債を補てんするのは迫力ある戦闘シーンである。鍛えられた男達の汗臭い肉体が激しく衝突する様はギリシャ彫刻に通じる魅力すら感じる。ムスリム系兵士VS白人兵士のナイフバトルは壁を使った立体戦闘。至近距離での火花散る刃の攻防は芸術的ですらある。隊長VSブラジル系チビマッチョの拳銃による戦闘は私が一番気に入ったシーンだ。使用する拳銃はベレッタ92FSにコンペンセイターを付けたカスタムタイプ。華麗さこそ劣るものの、これを使った銃撃戦はガンカタを超えたといっても過言では無い。拳の届く距離での発砲、空マガジンを利用した陽動作戦、硝煙は男の香水である。マガジンチェンジのモーションもカッコいい。ブラジル系はリストバンド型のマグホルダを使用。隊長はブラジル系の銃口を格闘で封じつつ、敵の前で余裕のリロードを見せつける。これで燃えない男はホモサピエンスではない。

 

 ただしラストは最悪である。「隊長が何らかの方法で対ウイルス剤を作って部下2人を救い、自分は研究所と一緒に自爆」なのだから。そんなゲロみたいな対策で助かるんだったら最初から科学者と協力してりゃ誰も死なずにすんだだろ、と心の中でシャウトした私を誰が責められるだろうか。本作はアクションのみに価値がある映画である。それ以外の部分は無の境地で鑑賞することをお勧めしたい。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上