ワンコイン・ムービ-レビュー

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スカイ・ファイター

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あらすじ

「飲酒バカを守りつつドラゴンと戦う可哀想な現場の兵士」

 

 本作のパッケージ裏には、「ハイテク戦闘機VS翼竜レプティザウルス」「極限スカイバトル」といったうたい文句が堂々とプリントされているが、これらは舛添の答弁のごとき誠実さ溢れる真実の言葉である。本作では空中戦のシーンは全く出てこないので、戦闘機大好きだぜ!という方には是非購入をお勧めしたい。

 

 ストーリーは、ある島で米軍が極秘開発していた生物兵器が暴走したから、特殊部隊を送り込んで倒すというものである。この特殊部隊なのだが、人数はたったの2名(少佐と中尉)であり、武装アサルトライフルとピストルである。正体もロクにわかっていない未知の敵に対して、著しく少ない人員しか投入しない。あげく彼らの装備は全て対人用であり、バケモノどころか野生動物相手でも苦戦するようなシロモノである。旧日本軍ならともかく、大正義物量アメリカ軍がこんな愚かな戦力投入を行う理由は皆目不明である。せめてバズーカや対装甲ライフルぐらい持たせてやればいいのに。しょっぱなから兵士達への同情以外の感情が沸き上がらないというのが、本作の先行きを不安にさせる。

 

 また、この島には兵士以外にも民間人がいることが明らかになる。彼らがそこにいたのには重大な理由があった。彼らは、酒に呑まれてボートを操縦したあげく事故を起こしてこの島に流れ着いたのだ。そのメンバーは男2人(チビ・ハゲ)女3人(黒髪・茶髪・金髪)である。彼らは終始なんの役にも立たない。茶髪と金髪はパニックを起こして、ドラゴンに喰い殺される手柄を立てるがそれだけである。こんな連中は、飲酒運転で事故った時点で溺死してしまえばよかったのにと思うのは私だけではないだろう。

 

 本作のアクションシーンは迫真の戦闘描写である。兵士たちがライフルを「バババババ」と連射すれば、ドラゴンは「ウオオ」と吠える。ただそれだけである。ラストは少佐がドラゴンの口に爆弾を放り投げて爆発させてENDである。幼稚園のお遊戯会の方が、ほほえましい気分になれるだけ本作よりはるかにマシであろう。

 

 細かいところではあるが、本作途中で、空爆によってドラゴンをやっつけようという上層部の命令が下り、軍用機が出撃するシーンがある。この出撃した軍用機はF14という飛行機であり、戦闘機である。すなわち空対空戦闘を目的とした飛行機であって、地上を爆撃してドラゴンを抹殺するような目的には使えないのである。前述した兵士の装備の件と合わせて、米軍の痴呆ぶりが明らかにされるシーンである。

 

 パッケージ詐欺に始まり、盛り上がりの無い単調なストーリー、クソの様な設定、魅力ゼロの登場人物。本作は良いところゼロのアナルファックの様な映画である。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上