ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

トーキングディック

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あらすじ

「俺のチンポがしゃべりだした」

 

 主人公は天パの大学生。ある日彼女と勉強しているうちに興奮が高まり彼女の体を求めようとするが、拒絶されたあげく金玉を蹴り上げられる。そのショックで彼のチンポは意識を持ち、主人公に語りかけるようになる。チンポは自らをディックと名乗り、「さあ毎日ヤりまくろうぜ」と貞操観念溢れる発言を洗脳ラジオのように延々と繰り返す。

 

 主人公は当然パニックに陥り、混乱のあまりディックに「黙れ!」と叫びながら股間を殴打するが、ダメージは結局自分に返ってくるので、はたから見ればバグって叫びながら自分のチンポを殴って勝手に悶絶する変態にしか見えない。ディックはそんな彼を憐れむ素振りすら見せずに、「起立!」と叫び彼女に勃起を見せつける紳士的プレイをも開始する。

 

 しかしながらこの彼女は情が深い。主人公を見捨てずに病院に連れていくが、医者もこの話を聞いて首を傾げてビビるのみ。当然のごとく解決にはいたらない。そこに大学で有名なヤリマンが登場。ディックはヤリマンの前ではあえて勃起しないことでヤリマンの嫉妬心を煽り、ヤリマンとのセックスを企む。これにより主人公は彼女とヤリマンとの間で板挟みになる悲劇を味わうことになる。

 

 困った時に頼れる存在として友人を挙げることができるが、主人公の友人3人組はそろいもそろってクズである。彼等3バカは盗撮ポルノの制作に全てを捧げる熱血漢である。彼らは自分たちに学費を出してくれている親にどう顔向けするつもりなのだろうか心配になる。3バカは嫌がる主人公を脅迫し、マンション内のHや路上のカーセックスの盗撮に協力させる。これらのシーンがストーリー上どんな意図を表現していたのか私の教育レベルでは理解できなかった。

 

 もう1つ理解できないシーンがある。それは主人公と母親のケンカを収める場面なのだが、その手段が、「父親のペニスと意思疎通する」という皆目意味不明なものであることだ。こうして場面を思い出しながら文字に起こしてみても全く理解ができない。

 

 「ヤれればOK」のディックに対し、主人公は「愛が無いとダメ」と己の筋を通し、なんだかんだでラストは主人公と彼女が元の鞘に収まり、あせらずゆっくり前に進んで行こうという、まあ健全な終わり方で幕は閉じた。なお3バカのボスは盗撮がバレてチンピラに捕まり、回転式トゲ付バイブをケツにぶち込まれる快楽的断末魔を提供してくれた点において功績を認めてやらんこともないと考える。

 

 思うに本作は一言でいえば中途半端である。チンポがしゃべるという設定は悪くないがストーリーはつまらない諍いや盗撮騒ぎなどのつぎはぎであり見ていて非常に退屈であった。性欲主義者のディックのおもむくまま「ヤりまくるぜベイベー」といった吹っ切れたクソコメディーにするか、もしくはセックスに愛は必要かをペニスという道化師の立場を使ってコミカルに語るなどのストーリー構成にしていた方が、下品極まる本作の設定をより活かせたのではないかと残念な思いが残った。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上