ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

キラースネーク

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あらすじ

「勧悪懲善」

 

 ある夜ガキがブードゥー教の神秘アイテムを盗んで逃走。ペン状の形態をしたそのアイテムは「それで描かれた相手をヘビがブチ殺す」という効能を持つひみつ道具だった。ガキには親父がいたが、彼は酒をかっくらって女房を殴打するという模範的アル中DV野郎であったのだ。もちろん彼はブードゥーの神の手の中で殺害された。その効能を目の当たりにしたガキはペンを地面に埋める。

 

 そして数十年後・・・。ガキは立派な若ハゲ(ザビエル型)に成長していた。幼馴染を嫁にして牧歌的な田舎生活を営んでいた。そんなある日、ザビエルのもとにパーリーピーポーという名のマーベリック(AGM65)が飛翔する。オフロード車に乗って前方不注意運転に邁進する彼らはザビエルの嫁を轢殺し、それに気づかぬまま笑いながら疾走する。怒り狂ったザビエルは封印したペンを手に取りパーリーピーポーの醜態を素描する。

 

 そして殺害されるパーリーピーポー。5匹いるなかで特に悪質なカスが3匹処刑される、ところまではよかった。ここから事態は悪化の一途を辿る。

 

 生き残ったパーリーピーポー2匹は処刑された3匹と比べれば相対的にはマシなパーリーピーポーであった。もちろんそれが情状酌量に値するとは思えないが、彼らはザビエルに逆切れする。いわく「アンタの嫁を轢き殺したのは事故よ!それぐらいで私たちに呪いをかけるなんて信じられない!」

 

 同情いただけただろうか。殺人犯が己の過失を認識しながらそれを無視。挙句の果てに逆ギレである。善良なる視聴者は望むであろう。一刻も早い、映画界の神の見えざる手による彼らの処刑を。しかし彼らは結局最後まで生き長らえる。もちろん反省はしないままで。

 

 その代わりにザビエルが死んだ。なんかよくわからないが「呪いを仕掛けたのは間違いだったからヘビとショットガンで戦う」的なことを言って返り討ちにあっていた。最愛の妻をパリピに殺されたあげく自身の首まで切られたザビエルのことを思うとやりきれない。本作はハゲに人権を認めないつもりなのだろうか。

 

 「呪術で描かれたヘビには物理攻撃が効かない」という設定のはずなのに、突如現れた黒人が単発のロケットランチャー(AT-4)を「連射して」ヘビを撃退するなど、設定面でもバグが見られる作品である。

 

 なお素人目に見ても照明の使い方が丁寧である印象を受けた。暗闇でも動きはちゃんとわかるし自然光があたたかい。擁護できるとすればそこだけである。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上