ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

狼男

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あらすじ

「チーズ牛丼で画像検索したらカオスだった」

 

 陰気でムカつく義理の父親が満月の日に狼男に変身してパーリーピーポーやマスコミ気取りのバカの内臓をえぐり取る!ラストは陰キャ(最近ではチー牛と言うらしい)の男女が狼男に天誅の一撃!という本作はバカ共に天誅を加えた狼男に天誅を加えるというトリクルダウン映画である。トリクルダウンの使い方が間違っている気がするが訂正する気はない。

 

 本作の美徳は天誅を加えられるバカ共の描写がしっかりしている点である。主人公を道案内代わりに利用しようとするジョックスの傲慢、人様の家で酒を飲み散らかす礼儀作法、おセックスに励もうとする下半身の躍動は実に理性的である。作中後半で登場するマスコミ気取りの記者どもはナメた配色の衣装や眼鏡を身にまといプラプラと揺曳する。見ているだけで殴りたくなる類の人種である。

 

 この手の映画では常連の撒き餌として機能するジョックス以外に、新聞記者を撒き餌に加えたセレクションには拍手を送りたい。アンリ・デュナンを発掘したように、本来ならば国民の知る権利に奉仕するという公共性を帯びた職業であるはずだが、現実では量産型のサラリーマンとして芸能記者に毛が生えた程度の活動しかしていないこの職業に天誅を加えよとの思いは多かれ少なかれ、読者諸氏に共感していただけるのではないだろうか。

 

 本作の負債はタイトルそのものである狼男である。本作における狼男とは、主人公の義父が満月の夜に変身した姿である。そのせいか、狼男は理性を保持したままやたらめったら話す。ではその話す内容は?ちなみに義父はエロオヤジである。「ハッハッハ!出ておいで子豚ちゃん達!」「この女、処女だったのか?でももう処女じゃないぜ!(バックで腰を振りながら)」「おっぱいペロペロ」

 

 ベラベラベラベラうるせえ手前はテレビ伝道師か!バケモノはオーラで語れ!弱い犬ほどよく吠えるというが、まさに本作はオーラが無いからしゃべってごまかすという悪手を打った悪例であるといえよう。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上