ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ワールドエンド2012

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あらすじ

「92分間耐久オナニー」

 

 本作を視聴して30分とたたず、私は睡魔というアンブッシュを受けた。普段寝落ちをしない私とはいえ、長時間労働の末帰ってきてすぐ視聴は厳しいものがあるのかな、エナジードリンクでもあおってから見ればよかったかな、と反省した翌日。そこには眼精疲労で倒れこむテクノカットちゃんの姿が!もうこんな映画見たりしないよ(世界丸見え風に)。

 

 本作の何がそんなに優れていたのだろうか?映像から浮き上がるようにプラプラしているCGだろうか?否である。

 

 乱雑に投入される、Windowsメディアプレイヤーのエフェクトのような、意味の分からん映像だろうか?否である。

 

 突撃時期を逸した騎兵隊のように音だけは勇ましいメタルミュージックだろうか?否である。

 

 やたらめったら、時には90度にまで傾くカメラであろうか?それとも白夜のごとく、俳優の肌を、反射でゾンビのようになるまで照らしまくる照明であろうか?否である。

 

 ストレスで白髪と化した本作の白眉はストーリーテリングに係る表現に求められるだろう。廃墟と化したショッピングモールと思しき舞台の中を、コスプレしたオッサンやオバハンがモデルガンをもってウォーキングする。話の流れは散発的にぶち込まれるダラダラとクソ長い独白によって展開される。その非常にわかりやすい語り口は一見の価値がある。少し抜粋してみよう。

 

 「ここは最終冒涜の前の最後の滞在地だ」

 「第9要素を抜ける代替地図があるわ」

 「ゼロの向こう側と呼ばれる場所が手がかりよ」

 「この哀れな惑星に終わりを創った私の人々だ」

 「尻叩きには飽きたよ」

 

 無い頭を必死に絞って理解に努めたところ、地球人はエイリアンの攻撃を受け地下都市に身を潜めているらしいということが判明した。ボスはなんかヤベェPOWERを持っているらしい。なんだかんだでお散歩を続けた主人公たちはビームピストルを撃ってボスを瞬殺してTHE ENDである。視聴後に残った感情は何も無い。

 

 おそらく監督の頭の中には「ぼくのかんがえためっちゃおもしろいえすえふ」が存在し、キャラクターや設定なども考えられているのだろう。しかしそれを他者にわかるように表現するという点において絶望的な水準不足を露呈したと言わざるを得ない。ストーリーを映像でまとめることに失敗した挙句、説明台詞の過剰投入にいたっては旧日本軍のネズミ輸送のごとき大局への寄与が認められる。芸術作品ならまだわかるんですけどね。「これが俺の表現したいものだ!わからないやつなんか知ったことか!」って理屈が。でも本作は商業娯楽作品でしょう。大衆というバカの存在を忘れてひたすらマスターベーションされたらそりゃ文句の一つもいいたくなるでしょう奥さん?

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上