ワンコイン・ムービ-レビュー

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デルタ・フォース 俺たちスーパーソルジャー!

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あらすじ

「このホモ野郎!(乱発)」

 

 米陸軍予備役としてチンタラ訓練を受けていたアホバカマヌケの3人組がイラクの最前線に派遣される、と思いきや輸送機から落っこちてたどり着いた先はなんとメキシコ!隣国の地で繰り広げられる痛快ドタバタコメディと、これが大まかな本作のフレームである。

 

 本作はコメディである。ではその質について触れておこう。「お前ゲイやったんか~い!」そう叫んでツッコミを入れるだけで本作に限りなく近い質の笑いを担保できると言えばそのレベルの高さを類推していただけるだろうか。

 

 何より摩訶不思議なのは彼らがせっかく設定した条件を何のためらいもなく解除する点にある。それすなわち「メキシコの地をイラクだと勘違いしてハチャメチャをやらかす馬鹿共」という構図である。しかし物語も序盤、主役級の3人中3人ともが「ここメキシコやんけHAHAHA」と正常認知を獲得する。残されたのはただナチュラルに馬鹿をやるオッサンたち…。認識の齟齬というコメディ要因をフルスイングで便器に投げ込んだあげく、投入するギャグはホモとゲイである。本編89分。この時間をウォーキングしていたら300kcalは消費できていたんだなあと、人を健康志向に駆り立てるために、本作は有用かもしれない。

 

 さらに見過ごせない点は兵士たちの知能である。主役級の3人組はまごうことなき低脳という設定である。にもかかわらず彼らは作中中盤、メキシコの地で銃をとることの危険性についてこう語る。「友好国の主権内における米兵士の武力行使国際法規違反になる恐れが多分にある」と。

 

 お前らはアホやったんちゃうんか。なら最後までアホを貫けや。都合のいい時だけ知能をアップデートするなや。そういうのを付け焼刃とかご都合設定っていうんや。

 

 メキシコのギャングが旧式のM4シャーマン戦車を前面に押し立て村を襲撃してきた!これに対して米兵は村の骨とう品であるナポレオン戦争時代の野戦砲を引っ張り出し、ゼロ距離射撃でこれを撃退する。ここに突っ込むのは無粋ですかね。いやでもキモオタとして、乾いた嘲笑が漏れ出たことは告白せねばなるまい。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上