ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

エヴァリー

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あらすじ

「バカが舐めプして自爆」

 

 主人公は売春婦でヤクザのオヤブンの愛人をしている。そんな彼女は実は警察の協力者で内偵に従事していたのだ。しかしそれが露見してしまう。ヤクザは「報復にお前とお前の家族を殺す」と息巻き、主人公は「ザケんなボケ」とブチ切れてヤクザに牙を剥く。

 

 恐るべきヤクザの暴力に対して孤軍奮闘する女の魅力。一見良さそうに見えるコンセプトだが、本作は戦う女の魅力よりも脳みそが腐ったヤクザの自壊を描写することに心血を注いだようだ。

 

 アホすぎるヤクザの戦術。それは一言でいえば「舐めプレイ」である。ヤクザたちは「女1人どうとでもなるわ」「じわじわとなぶり殺しにしてくれる」と余裕のよっちゃんをブッこき、戦力を小出しに、逐次投入していく。もちろんそれらは父と子と精霊の御名において各個撃破されていく。

 

 ヤクザたちの死にざまも素晴らしい。一個分隊規模のヤクザたちが棒立ちで登場した瞬間に手榴弾で雑に殺された時にはタイムイズマネーを感じた。訓練された猛犬は手榴弾をボールと勘違い。それを咥えてご主人様のところへ持っていき無事爆死。いったいこれらは何のコントなのだろうか。

 

 極めつけはラスボスであるヤクザのオヤブンである。彼は圧倒的な戦闘力で主人公を追い詰め、ベッドに監禁する。そして彼が突き付けた言葉は「愛」についてである。このヤクザ、力で無理やり愛人にしていた売春婦に未練タラタラなのである。「愛はどこへ消えた?」とは彼のポエムであるが「知ったことか」と即答した私を誰が責められるだろうか。ソープ嬢にマジ恋愛するイタイ中年オヤジのような彼は当然のごとく隙を突かれて昇天した。

 

 売春婦なのになんで銃の扱いや格闘術に秀でているのかといった疑問点を除けば主人公はわりかし頑張っていたようにも思える。しかし敵がアホではどうしようもない。負荷の軽い筋トレが何の意味もないように、弱い敵を相手に無双したところでそこに何の魅力があるだろうか。そりゃ『コマンドー』ぐらい頭悪ければ話は別かもしれませんがね、本作からはそういった好感の持てる頭の悪さは見受けられない。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上