ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

デッドマンソルジャーズ

f:id:public-technocut:20191202233905j:plain

あらすじ

「個人的な考えですがレイプ犯は即時銃殺すべきだと思います」

 

 時は1944年。舞台はフランス・西部戦線。激突するアメリカ軍とナチスドイツ軍。その壮絶な戦闘の様子はさながらサバゲーマーの集会場。100円ショップで買える火薬銃の撃ち合いよりはマシといったレベルである。

 

 小道具もトレビアン。米軍のM1ガーランド、M1カービン、M1トンプソンの木製銃床は輝かんばかりの光沢を誇っている。人はそれをプラスチックと呼ぶ。どうでもいいけどM1ナンバー多すぎやな。ナチスドイツ軍のMG42は何故か連射機構を活用せず単発での射撃を行う。これは間違いなく神国ジャップアイランドが誇る62式機関銃へのリスペクトであろう。

 

 主人公のアメリカ軍兵士たちは「ナチスの兵器工場を破壊するぜ!」と意気込み空挺降下。そして無事フランスの民間人が住む家屋に突入し、住んでいた女性をレイプする武勲をあげる。女性も女性で、彼女は何故かレイプされたお礼に「特殊弾」なるアイテムをプレゼントしてくれる。

 

 そこに突如ナチスのモンスター兵が現れる。レイプ主犯の大尉がブチ殺される微笑ましいシーンをはさみながら、中尉と軍曹(彼らはレイプに参加しなかった)がモンスター兵に特殊弾を撃ち込んで中ボス撃破。

 

 野営地に戻ると指揮官のジジイが「ナチスがモンスター兵を量産しようとしているからシバいてこい」と命令を出す。中尉と軍曹はレイプ大尉と合流してミッションへと向かう。大尉!このレイプ野郎!何生き返ってんねん!と言いたくなるが気にしてはいけない。これがザオリクだ。

 

 どうでもいいショボい戦闘の後、たどりついた研究所(という名の掘立小屋)ではナチスのバカ学者が自らに薬品を打ち込んでモンスター化していた。そして叩きのめされるアメリカ兵。そこに立ちはだかったのは軍曹。彼は告白する。「僕、実は狼男なんです」。そして変身した軍曹はモンスターと殴り合いを演じ即死した。どこから突っ込んでいいのかわからないが、もう今更である。

 

 モンスターを倒すにはモンスターしかないとの結論に至った士官たち。するとレイプ大尉が急に善人化し「これは俺の仕事だ」とわめいたのち薬品を自らに打ち込みモンスター化。バカ学者モンスターと相打ちになる。そして戦いはこれからも続く!の打ち切りエンドでハッピーターンである。

 

 実に愚かな作品であった。登場人物に係る描写不足、時系列の無意味かつ頻繁な移動、そこらのおもちゃ屋から調達してきたとしか思えない美術、すべてが一級品であり、そのせいだろうか、視聴中に一度寝落ちしてしまった。92分という異例の長編であるにもかかわらずである。モンスター兵よりも本作を量産して米兵に視聴させていれば今頃ヨーロッパにはハーケンクロイツが翻っていたのではないだろうか。

 

 思えば本作はカオス理論の残滓ではなかろうか。1人のちょび髭が美大に落ちたことをきっかけに、加速度的にこんなゴミ映画まで作られてしまうのだから。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上