ワンコイン・ムービ-レビュー

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エイリアン スカイコマンド

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あらすじ

「おめえの操縦席ねえから!」

 

 火星からエイリアンが降ってきてアメリカで大暴れ!本作の筋はこれだけ。透き通る湖面のように純粋なバカバカしさにまずは敬意を表しておこう。

 

 エイリアンに対抗するのはアメリカ軍の技術研究開発部隊。彼らはニューロ・ジェット・システムを運用すべく研究を続けていた。ニューロ・ジェット・システムとは何か?それは操縦桿に触れることなく意思の力によって戦闘機を飛ばす画期的な研究である。

 

 意思の力で戦闘機を飛ばす。それはどんな光景かご覧いただこう。パイロットはプラ板とゴミ袋のようなもので出来た特殊ヘルメットをかぶって椅子に座り眉間にしわを寄せ「アアアーッ!」と叫ぶ。その姿はまるで大便器を占拠する変質者の様だ。

 

 しかし人を見た目で判断してはならない。ニューロ・ジェット・システムに従事するパイロットは皆航空事故や作戦中の事故で負傷した身体障碍者である。彼らは目を輝かせて話す。「ハンディキャップがあっても国のため働けるんです!」。うーんノーマライゼーション。本作は障碍者の社会参画を描き平等を訴える趣旨なのかな?好感が持てるじゃないか、などと思ったのはつかの間の夢。期待なんかする方が悪い、そう気が付くのに時間はかからなかった。

 

 身障者のパイロットは6名いる。しかし用意された戦闘機は3機しかない。足りないのだ。機体が。では出撃できない3名はどうなるんですか?雑に地上で負傷して終わりである。負傷してても働けるどころか負傷してるところにさらに負傷である。こういうのを死体蹴りというのだ。実に人道的である。

 

 なんとか出撃した3機の内、1機も単調に水平飛行しただけで雑に殺される。何が国のためだと唾を吐いた私を責めることができるだろうか。

 

 以下は配給という名の災害の犯した罪であるため作品の評価に関係しない所であるが、本作のパッケージにデカデカと描かれている戦闘機は皆さんご存知の通りF-22である。しかし本作中で活躍する戦闘機はF/A-18なのだ!登場していない戦闘機を臆面もなくパッケージに!どうせデザインの指示やコピーを書いた奴は作品を見ていないんだろう。愚痴ってもしかたないといえばしかたないが、それでもやるせなさはぬぐえない。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上