ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

シャドウ・ウォーカー

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あらすじ

「お天道様の下を歩く資格はねえ」

 

 スキー用のゴーグルに、サバゲ―用のフェイスガードで武装した安っぽい特殊部隊が、とある研究棟に突入する。そこでは人間にステロイドをぶち込んでモンスターを作る研究が行われていたのだ。特殊部隊は研究員たちを撃ち殺し、モンスターを管理していた安全装置を解除、とどめにガスをぶちまけて研究棟を封鎖する。やがてガスが引き、目覚めた生き残りの研究者たちは記憶を失っていた。モンスターが占拠する研究棟からの、決死の脱出が始まる・・・。こう書くとバイオハザードみたいでおもしろそうでしょう?そんなわけがあるか。クソ映画界の門をくぐるものは一切の希望を捨てねばならないのだ。

 

 まずは記憶喪失の設定だ。この設定は全くもって生かされていない。無い方がマシである。記憶を失った人々がそれを取り戻していく過程で徐々に謎が明らかになっていく!そんなミステリーを楽しむ余地などどこにも無い。登場人物たちは何の脈絡もなく突然記憶を取り戻す。劇中ウォーキングしているといきなり、「あのモンスターはレベル3や!」「マジかよ!半端ねえ!」と叫んだり、「TCS―ベータ2や!」「なるほど!細胞膜受容体を正常に活性化するんやな!」と自己解決したりする。

 

 モンスターはレベル1から4に分かれている。知能や戦闘能力に差は無い。なぜ分けた。なぜそんな設定を作った。モンスターの戦闘能力は低い。素手の人間とタイマン勝負してどつきまわされる。ゾンビと違って知能があるという設定だが、モンスターは終始ウガウガ言って人を襲うだけ。どれだけの設定を殺せば気が済むのか。

 

 モンスターに噛まれると感染して性欲が強くなるという設定に至っては頭を抱えるほかあるまい。安易に性欲とか言うなバカ。この設定を設けたことにより発生した益はゼロである。回想シーンでモブの女優が乳を見せていたがそれが何だというのか。

 

 特殊部隊の一味が監視カメラで科学者たちを監視している。その様がひどい。蝶ネクタイに丸メガネをかけたコメディアンみたいなオッサンがポテチを食べながらモニターに悪態をついている。これのどこから監視の要素を見出せばいいのだろうか。

 

 照明は切れかけの電灯のようにチカチカチカチカとひたすらうっとうしい。そういう照明はここぞという時に使わんかい。ずっとハザードランプをつけながら運転する奴がどこにいる?

 

 スローモーションの多用もギャグである。冒頭モブのオッサンがピストルで撃たれるシーンや、モンスターがピストルで撃たれるごとに、毎回毎回いちいちスローで送られても、だから何?と言いたくなる。

 

 唯一良かったのは主人公が使うショットガンである。それはH&K G11をポンプアクション化したような未来的デザインであり、研究所という最先端施設の装備として機能していたと思うでおじゃるよ。ドゥフフ

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上