ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

STREET FIGHTER 2050

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あらすじ

「ファイト!マッスル!セックス!」

 

 舞台はディストピアと化したロサンゼルス。郊外には野盗、都市にはマフィア、警察は役立たず、しかし何故かドル札できちんと経済が回っているところはご愛敬か。主人公は決意する。「アンダーグラウンドの格闘家だった兄がブチ殺されたから俺も格闘家になって犯人を捜すぜ!」。

 

 主人公を始めとする格闘家たちの肉体はガチムチに鍛えられている。筋肉の部分部分がギシギシと割れているビルダー型もいれば、太鼓腹の重量級レスラー型もいる。そこらのたるんだオッサンを脱がせて「ハイ、格闘家一丁上がりぃ!」としない誠実な姿勢には好感が持てる。

 

 だが肝心の格闘シーンに関しては苦言を呈したい。足技に頼りすぎなのだ。ただ多用するだけならまだテコンドーの様だとか擁護の余地もある。しかし毎度毎度決め技としてジャンプからの上段回し蹴りを乱発されるともうどうにもならない。確かに見栄えのいい大技だし迫力はあるが、それだけではあまりにも芸が無い。美味しいからと言って寿司屋でトロばかり注文する奴はいないでしょう奥さん。

 

 撮影にも問題がある。カメラが役者の上半身に寄りすぎていて、せっかくの足技(特にローキック)が全く映えない。セットの陰で演技している役者をバカ正直に映すことで、見えないアクションシーンを提供する手腕は論外である。

 

 幕間に挿入されるストリップのシーンはひたすら低俗である。衣服の上から水を垂らす、あるいは全裸にクリームを塗りたくる。モニタを占領する煽情的な肌。トドメは主人公とストリッパーのベッドシーンである。カメラの照準は乳を中心に女を狙撃する。男の存在感など割れたシャボン玉以下である。

 

 格闘もSEXも野獣性を帯びている。本作からは、資源をそこに集めようと努力した形跡を認めることができる。獣的な俗悪性に忠誠を誓った模範的ド下劣映画、それが本作だ。良い悪いは別として軸を持っているというのは素晴らしい。アクションがしっかりしていれば良作だったのだが・・・。とはいえ本作が立派な3流映画であることは保証できる。知能の低い、私の様な、愚かな俗物がコーラ片手に鼻クソをほじりながら見る分には十分楽しめるだろう。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上