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デビルズ・フォレスト ~悪魔の棲む森~

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あらすじ

「伏線を放り投げる事こそ悪魔であるわ」

 

 再婚した夫婦とそれぞれの連れ子である姉と弟で構成される4人家族。彼らはある日家庭融和のためにニュージャージーの国立公園へキャンプしに行く。ケータイを使うなとやたらガチギレする夫を眺めながらの道中は爽快の一言だ。

 

 国立公園には古から伝わる伝説があった。「娼婦が我が子の魂を悪魔に捧げたらモンスターが誕生した」。だからなんやねんとばかりに一行はキャンプ場から森の奥へと分け入っていく。気味の悪い出来事が散発する。犬や鹿の死体に他のキャンプ客の行方不明・・・。

 

 ここで夫の隠し要素がアンロックされる。彼は幼いころ森で何かに襲われたトラウマを持っていたのだ。ならばなぜわざわざ森の奥へ行くのだろうか。ここで夫の隠し要素がアンロックされる。「おじいちゃんの遺灰を川に撒くんや」。なぜ撒かなければならないのだろうか。残念ながら理由はアンロックされなかった。

 

 ここでまた夫の隠し要素がアンロックされる。彼は出発前に飼い犬に腕を噛まれて狂犬病に罹っているんや。一体どれだけネガティブ属性を保有すれば気が済むのだろうかこのオヤジは。彼は順当に狂犬病を発症し、泡吹いてぶっ倒れたり嫁にぶん殴られたり娘にぶん殴られたりする。

 

 彼は「モンスターがくるんや」「俺は悪くないんや」と喚き散らし家族をビビらせる。モンスターなんて幻覚よ!狂犬病のせいでアンタはバグってるのよ!と思いきやいきなりモンスターが現れて夫婦はメインディッシュ、現場に居合わせた保安官はアントレと化す。生き残った娘はレミントンの狩猟ライフルを手に復讐を誓って THE END である。

 

 本作が碩儒の産物と仰がれるゆえんは、用意した伏線をことごとく放棄して撤退した退却戦の妙手に見いだせるだろう。トラウマのある場所にバンザイ・チャージを仕掛ける中年男性。その目的は遺灰の散布。彼は道中でバグり「モンスタァァァ」とか叫び出す。そんなん幻聴やん!と思っていたらモンスターは実在したのだ!

 

 展開が二転三転したあげく、それに係る描写・理由付けが不足している。前に退却戦と書いたが訂正しよう。本作はただの敵前逃亡である。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上