あらすじ
「チュパカブラが豪華客船内で暴れる」
本作は全体的に安定して低品質な作品である。普通の映画かと思って観ればがっかりするだろうし、ゴミかといえばそこまで酷くはない。安定して所々残念な箇所がある、模範的低予算映画と言えば誉めすぎだろうか。
本作最大の過失は決戦兵装存在意義皆無問題である。そう決戦兵装。最終兵器と言い換えてもいいだろう。諸葛亮の連弩やナポレオンの老親衛隊をイメージするとわかりやすいだろう。必要な時、必要な場所に、必要な量が投入された場合、それは一言でいえばヒャッホウ(゚∀゚)である。
銃弾を無効化するチュパカブラの生体防御能力、これに対抗するために用意された決戦兵装は“酵素弾”である。金庫開錠イベントを挟み、弾薬を生成し、あとはこれを弱点の首に撃ち込むだけ!しかしながらチュパカブラは、モブの兵士が突如取り出した徹甲弾でナチュラルにダメージを受ける。その後もエンジンルームの蒸気や電流でもさらにダメージを受ける。そんな中酵素弾もちょろっと使用される。「ボクも実績があります!」、政治家のアリバイ作りの様に撃ち込まれた酵素弾のインパクトは限りなくゼロであった。
照明あかるすぎ問題も告発しておきたい。本作はとにかく明るい。夜陰のジャングルのシーンも薄暗闇の倉庫のシーンも完全有視界戦闘可能なレベルでギラギラである。全体的レンブラントライトともいうべき場の輝きはまるで照明弾を斉射したかのようだ。
ヒロインの姉ちゃんが延々キィヤァァァァッと叫び続けるのも耳障りだ。『ジュラシック・ワールド 炎の王国』で出てきた富豪のガキ、あいつがこの映画にもいたんだと言えばウザったさを共感していただけるだろうか。なお、このヒロインはキィヤァァァッと叫びながらボクササイズでチュパカブラを撃退する失笑シーンを与えられている。
他にも、主人公がほぼ何もしないNPC以下のでくのぼうだったり、悪の根源であるチュパカブラ学の博士が拘束もされずに船内をナチュラルにうろついたあげく登場人物をボコったり、細かいマイナスポイントであふれている。キモオタとしてはモブの兵士が船内でM249を乱射しているシーンも気にかかった。跳弾で死ぬぞ。
総合評価・星3つ(500円の価値有)
★★★☆☆
以上