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タイタニック2012

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あらすじ

タイタニック号沈没から100年後の2012年。豪華客船タイタニック2号による大西洋横断。歴史に刻まれる偉大なる航海になるはずだった。迫り来る史上最大の大津波と、巨大な氷山の塊。極寒の海原で、悲劇は再び繰り返されるのか(パッケージより抜粋)」

 

 タイタニック沈没100周年を記念してタイタニック2を建造、同じ航路を通ってパーリーピーポーしようぜ!ウェイウェイ!というバチ当たりにも程があるクソ航海が幕を開ける。主人公のオッサンは両手に美女を抱きかかえて目を細め、元カノの看護師は複雑なキ☆モ☆チ。

 

 そうこうしているうちに地球温暖化のせいで氷山が溶ける。その結果津波が発生、時速1,300kmの速さでタイタニック2に襲い来る!主人公は艦長に命じる。「速力増進!時速50ノット!」。50ノットで疾走する豪華客船?東シナ海で自爆した北朝鮮の特殊高速工作船でも30ノットなのに。原子力エンジンでも積んでいるのだろうか。

 

 それはさておき津波は無事タイタニック2を直撃する。その際の衝撃で救命ボートが半分フッ飛ぶ都合のいい展開が発生。命のプライオリティは明らかだろう。救命ボートには女子どもが乗る。俺も乗せろとわめくオッサンはぶん殴られる。当然だろう。オッサンの皮脂を乗せるより女の涙を乗せる方が救命ボートも喜ぶに違いない。とはいえもちろんオッサンにも人権はある。彼らにはきちんと救命胴衣が配られる。あとは知らん。クソ寒い大西洋でスイミングスクールである。タイトルコールが聞こえてきそうだ。「ドザえも~ん(主題歌へ)」。

 

 主人公のオッサンは想定外のナイスガイで、船主としての責任感からケガ人へ自分の脱出用ヘリのスペースを明け渡した後は女性看護師と共に船内を駆け回る。しかしながら迫り来る水位は2人を閉じ込める。低体温症から体を守ってくれるダイバースーツは1着。主人公はスーツを女性看護師に譲り、自身は零下の水温に甘んじる。やがて閉じられる彼の瞳…。さようならジャックと言わなかっただけマシというべきか。

 

 本作の主人公がディカプリオを超えていた点が1つある。それは未来予知能力だ。主人公は水没前、女看護師に依頼する。「俺は仮死状態になるから後で蘇生さしてくれや」。救命医療をナメくさったこの提案。もちろんそう都合よく蘇生などできるはずもなく、オッサンは煉獄へと旅立った。罪状は「愚昧」である。

 

 他の連中もオーマイガッデムである。津波がやばすぎて救命ボートの婦女子も救命胴衣のオッサンも結局死んでしまうのだ。生き残ったのは女性看護師1名のみ。結構救いがない映画である。

 

 本作から学んだことがもう1つある。それは闇を撮る難しさだ。消灯された船内、真夜中の海、本作ではただ暗いだけで登場人物が何してるかまるでわからない。カメラの性能か?照明の腕なのか?ともあれ、『タイタニック』は本作より優れていたんだなあと観る前に気づくべき感想で幕を閉じよう。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上