ワンコイン・ムービ-レビュー

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リターン・トゥ・ベース

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あらすじ

パーリーピーポーが空軍でイキる」

 

 主人公は韓国空軍の戦闘機パイロット。ある日彼は調子こいて命令を無視、危険飛行を行い市民の命を無意味に脅かす。罰として彼は左遷されるが、左遷先で全く反省しない。むしろ訓練中にヒャッハーする。彼の上司は言う。「軍は市民のために存在するのであって個人の好奇心を満たすためではない」。まったくもって正論であるが主人公はシカトをぶっこく。

 

 アカン。いくらフィクションとはいえ、この主人公、どう頑張っても好感が持てない。たちの悪いパリピやんけこいつ。そんな私の気持ちを知らず、普通だったらクビになるだろうゴミ主人公は任務中に化粧ばっちりの女整備兵とイチャついて大会で優勝したりデートしたりの充実ミリタリーライフを送る。死ね。

 

 そうこうしているうちに、みんな大好き北朝鮮の戦闘機が韓国の領空を侵犯、市街地に達する。そして主人公は先輩と出撃する。年長者らしく先輩は語る。「俺、軍隊辞めたら結婚するんだ」。彼がパトリック・ジェームズ少尉のように空を舞ったことは言うまでもない。

 

 先輩が無事死亡した後、主人公はその敵を取るため撃墜許可を求める。しかし上層部は「市民の安全が第一だ!撃つな!」と意味の分からん命令を出す。実弾装備の敵性戦闘機が市街地上空を飛んでいるのならそれを排除することこそが安全策だろう。実際、北朝鮮機は地上を機銃掃射したりビルにミサイル撃ったりやりたい放題である。にもかかわらず上層部は撃つなの一点張り。そんななか主人公が「そんなチクショォォォ俺はなんて無力なんだァァァ」的に叫ぶのである。すごい。状況が不自然すぎて全く感情移入できない。

 

 攻撃の原因は北朝鮮で起きたクーデターだ。クーデター勢力はICBMに燃料を注入している。すると上層部は「北朝鮮に不時着したパイロット1名を救出するついでにICBM基地を爆破しよう」とのたまう。プライオリティ間違ってませんかね。

 

 大正義在韓米帝軍が作戦に反対するがなんのその。太極旗は悪を打ち破ってハッピーエンドである。

 

 本作の中で唯一評価できるのは空戦シーンである。激しい機動にもかかわらず、相克する機体がきちんとフレームに収まっているため、位置関係に起因する戦闘の展開が非常によくわかる。しかし残念なことに、その戦闘機を誰が操縦しているのかがわからないのである。韓国軍のパイロットはみんな同じヘルメットと酸素マスクで顔面を覆っているため、誰が誰だかわからない問題が発生するのだ。この問題を避けるためだろうか、『トップガン』ではヘルメットに塗装がしてあったと思うのだが、本作にそれをもとめるのは高望みだったようだ。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上