ワンコイン・ムービ-レビュー

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コンコルド

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あらすじ

「大統領候補を乗せたコンコルドがハイジャックされた。護衛にあたっていた空軍特殊部隊の大尉の活躍を描いたスカイ・パニックアクション。(amazonより抜粋)」

 

 主人公はアメリカ空軍所属の特殊部隊隊員であるはずなのに、何故か非武装コンコルドに乗り込みテロリストにボコられる。そんなおちゃめな彼は「飛行失格者」というあだ名を持ち、飛行機にトラウマがあるという設定だ。この手の映画では特に珍しいことではないが、この設定が特に生きることも説明されることも無かった。彼は終盤普通にコンコルドを操縦する。彼が最低の主人公として覚醒するのはここからである。操縦席の彼の横では、必死で無線機を直そうとする女性秘書の姿が。そんな彼女に対して彼が何をしたか。それは声掛けである。「うまくイッた?」「イジり方をどこで覚えた?」「緊張して硬くなった」「早すぎる、ゆっくりイこう」。変態親父の湿気が暗雲と化し五月雨を降らせる。誰だこいつを主人公にしたバカは。下ネタ中年のゲスい視線と女秘書の蔑む視線が空中衝突する。この視線劇は評価するべきなのだろうか。

 

 本作のカタルシス・ポイントについて述べておこう。それは敵が皆主人公たちと関係無いところで壊滅していくという点である。コンコルドを占拠したテロリスト達はストーリー中盤にパラシュートで脱出し、降下した先で地元警察とカーチェイスの末死亡する。黒幕のユナイテッド・ステイツ大統領に至ってはFBIとNSAに追及されて終わりである。主要登場人物達は文字通り虚空に置き去りにされる。

 

 「バルカン半島のテロリストの仕業にみせかけて大統領候補を始末すれば紛争は拡大してアメリカ製兵器が売れて軍需産業はウハウハや!」、頭の悪い中学生が考えたようなこれがテロリストの犯行動機である。これは作中で二重に説明される。方やジャーナリスト2人組、取材を重ねてこの真実にたどり着く。所要時間数十分。方やテロリスト、ご丁寧にも俺たちはこういう理由でテロったんだぜと説明してくれる。所要時間十数秒。十数秒ですむ仕事を数十分かけて、しかも二重にやる奴が優秀かどうか、ここでは語らないことにする。

 

 「米軍迎撃機スクランブル。コンコルドvsF-14空中戦!」。パッケージで約束された通り、ドッグファイトは実行された。それはアホみたいに直進するコンコルドにミサイルが黙々と撃ち込まれる光景だった。ああ、エースコンバットのファースト・ステージの方が迫力がある。そりゃ旅客機vs戦闘機ですよ。もちろん過度な期待はしてませんでしたけどね、それにしたって奥さん、こんなの竹とんぼ飛ばしてる方がまだ飛行を感じられますよ。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上