7セカンズ
あらすじ
「タリバー率いる強盗団は、現金輸送車を襲撃し、誤ってロシア・マフィアのゴッホの絵を強奪してしまう。追ってきたマフィアに仲間を射殺された上、恋人がさらわれてしまった。恋人奪還のため、敵に立ち向かうタリバー。しかし、その先には意外な結末が待ち受けていた(パッケージより抜粋)。」
重い病気に罹っているからいつも手先がプルプルしびれて震えるんだぜ。おおっと、うっかり銃の引き金を引いちゃうかもなぁウヒヒヒヒというキャラ付けをしているのが本作のラスボスである。はっきり言うが彼は全然怖くない。アル中のオッサンがエアガンで鳩を撃っている様な彼の姿からは威厳のIの字も見つけられない。あげくしょうもない格言をぶちかまし主人公を呆れさせるという誰が得するのかわからない設定までアンロックされる。以下に彼の発言を抜粋しておくのでその意味論について存分に議論していただきたい。
――俺の国にことわざがある!「パン屋を責めてはいけない!パンを焼いたのがパン屋でないのなら!」。
主人公の仲間はマフィアの手にかかりハチの巣にされたあげく火炎放射で虐殺される。ならばその報復は最重要事項だろう。似たような状況を私は知っている。COBRA107戦隊のカーレル・シュワンツ大尉は見事に報復を成し遂げた。これに対し、本作ではラスボスにとどめを刺す役割は主人公に与えられない。代わりに、ラスボスにビビっていたクラブの経営者が突然脈絡無く現れてボスを射殺する。カタルシスは行方不明だ。
本作の舞台はルーマニア、そのせいかロシア製の銃器が多くみられた。中でもよく登場するのはスチェッキンである。なぜ旧式のスチェッキンをわざわざ明るみに出したのか?私が監督ならば「はい、それはフルオートで射撃する拳銃が欲しかったからです」と答えるだろう。しかし本作においてそれはセミオートでしか射撃されない。だったらマカロフでもトカレフでもいいだろう!適当にそれっぽい銃を出しましたなど唾棄すべき行為である。銃には存在理由が必要だと思いませんか奥さん。
本作を総括すると、毒にも薬にもならぬ一作と言えるだろう。とりたてて優れた点は見いだせないが、かといって戦犯と呼べるほどの致命的なミスがあるわけでもない。主人公の黒くちびるが悪役のうなじをチョップして気絶させる地味なアクションを欲する方が存在すれば本作の購入をおすすめしたい。
【PS.画像挿入について】
デフォルトではしないことにします。例外的に、これは奇麗だ!感動した!というショットやこれはウンコだ!ひどすぎて笑った!というショットがあれば随時載せていきたいと思います。
総合評価・星3つ(500円の価値有)
★★★☆☆
以上