ワンコイン・ムービ-レビュー

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ファイナル・デスメッセージ

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あらすじ

「悲劇は携帯電話が受信した意味不明なメッセージから始まった。連続する身近な人々の突然の変死、予測不能な死の連鎖が始まる!!(パッケージより抜粋)」

 

 

 ケータイが謎のメールを受信すると受信者が死亡する。要するに『着信アリ』である。すなわち、現代人なら誰もが持っているケータイを死と結びつけることで、常に身に張り付いた死の恐怖を表現しているのですね?この問いかけに対して設定は「どうでもいい」とお答えになられた。

 

 開幕早々、トランシーバーをダクトテープでハチマキにくくりつけた、頭の残念な警備員のオッサンが死ぬ。それ自体は別にいい。注目すべきは、彼はメールなぞ受信していなかった点である。メールの設定が完全に無視されている。ただ人がノリで死ぬだけ。その虚しさに加えて「キャー、メールマジで怖いんですけど」的にビビる女子高生が本気でうざい。

 

 のみならず、メールは万能ネギへと姿を変える。謎メールは受信した者を自由自在に操ることができるのだ。とあるビッチなどは謎メールによって操られ殺人を犯した後、屋上からわめきながら投身する。もうなんでもありである。しかも死に様がモロにアミバ様だし。

 

 展開されるストーリーはオーバーブーストしている。「犯人はキモオタよ!彼は学園祭に人々を操り殺し合いをさせる曲を演奏するバンドを出演させる気よ!止めな!」というどこからツッコめばいいのかわからない流れをしばし漂ったのち、「バンドはブラフや!キモオタは人質を取って立てこもってるで!」と状況は移ろう。何が何やらと思っている間にキモオタは無事射殺された。

 

 これで一件落着、と思いきや不安を隠せぬ登場人物達…。何か闇の力を感じる…。そうして彼らはつぶやく。「結局、犯人は誰?」お前らがそれ言うんかいと呟くと同時にエンドロール。実に清々しい89分をありがとう。

 

 本作で指摘しておきたい点として「死ぬまでの時間長すぎ問題」を提起したい。登場人物が致命傷を受けてから死ぬまでの時間がサービスタイムのごとく展開されるのである。これが繰り返されるたびにモニターに「早よ死ね」とイライラをぶつけることになる。スケボーボーイが死んだ時なんざ、2分近く彼のスケボープレイが上映される。この映像に何の意味があるのだろうか。

 

 主役の女が夢の中で葬式を体験して不安におののくというシーンにも苦言を呈したい。だってピンクの部屋で参列者全員がグラサンかけて笑ってるんですよ。そりゃこんな連中いたら不安っちゃ不安だけど、怖さのベクトルが違いやしませんかね。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上